新党ラッシュだが

写真提供:コメルサント紙

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政党要件を大幅緩和
下院選の不正糾弾に端を発する昨年末からの抗議行動を受けて、今年4月に政党法が改正され、政党登録に要する党員数が4万人から5000人に引き下げられた。このため、新党登録ラッシュが起きている。ロシア政界はこれからどうなるのか。

つい1年前まで政党と言えば与党「統一ロシア」、野党「共産党」、極右「自由民主党」の3党プラス4番目の党という構図だった。

昨年12月から多くのの専門家が、ロシアの本格的な政治危機について語った。大規模な抗議行動、下院選の不正糾弾、そしてプーチン、メドベージェフ両氏の支持率の低下は、政権の支持者のみならず野党をも不安に陥れた。

「危機以前の状態に戻ることはおろか、単に政治的安定を維持することさえ不可能に思われる」。大統領の発案で設置された戦略策定センターは5月末にこう現状を分析した。

専門家たちのこうした論評には十分な根拠がある。ここ10年以上にわたって、政界は次第に狭まってきた。プレイヤーの数は減る一方で、有権者には、野党は名目上の存在にすぎないのでは、という印象が生まれた。

昨年の下院選挙がいい例だ。7つの政党が候補を立てたが、議席を獲得したのは前回と同じく4党のみ。統一ロシア、公正ロシア(今回は反政権の立場を打ち出した)、共産党、それに自由民主党だ。

 

存在感薄い野党

昨年の下院選直前、政治情報センターのムーヒン所長は「ロシアNOW」に対し、今の政界には2つの特徴を指摘した。一つは、与党に権力が集中しているのに独立野党の存在を誰も欲していないこと。もう一つは、有権者には具体的な政治綱領さえ要らないということだ。ロシア人は思想、イデオロギーではなく、指導者個人に投票するのだ。

これに関連して、政界のもう一つの特徴を指摘しよう。「古顔」の4党には、はっきりしたイデオロギーがないことだ。政党の名は何かのイデオロギーを連想させるが、当面の政策との間にはほとんど何の関係もない。

例えば、自由民主党は名前はリベラルだが、国家主義的、民族主義的スローガンを振り回すこともある。共産党はビジネスのロビー活動をするのを恥じていない。統一ロシアは事実上イデオロギーなしの党ということで、どんなスローガンでも掲げられる。
 

有権者の選挙離れ

政界がこのように煮詰まった結果が、有権者の選挙離れと大都市での大規模な抗議行動に現れた。世論調査機関レバダ・センターによれば59%が「既成政党は自分の利益を守るだけで、人々の意見は無視している」と考えていた。

4月に採択された政党法改正で、「ビッグ4」を押しのけたい人たちのクリアすべき条件はかなり緩和され、その効果は目に見える形で現れた。すでに150以上の組織が政党登録の書類を提出した。国家主義、極左からヘルシー・ライフの党まで何でもありだった。
 

注目される2党
「ビッグ4」の主なライバルになりそうなのは国民自由党で、ネムツォフとルイシコフというベテラン野党政治家によって創設された。世論調査によると、エリツィン大統領時代の民主勢力に共感を抱いているロシア人は今でもいる。

どの政党とも一味違うのが大富豪の企業家、プロホロフ氏が設立した「市民プラットフォーム」党だ。第一に、指導者に対して大統領選で約600万人が投票しているということで、他の新党にはない強みだ。

だが、あまりにもプロホロフ氏個人の人気に寄りかかっているという点がマイナスにもなりうる。