=ルスラン・スフシン撮影
音楽:「ウチャト・フ・シュコーレ」, ウラジミル・シャインスキー作曲家
ロシアでは秋だけでなく、学校の新年度も9月1日に始まる。
モスクワ西北、トベリ出身の建築技師イワンさんには今年1年生の娘がいる。ロシアでは子供の入学は伝統的に盛大に祝う。「私は何か月も失業中なんですが、これは我が子にとってとても大切な行事なんです」と、イワンさん。
「知識の日」
1984年以来、9月1日は国民の祝日「知識の日」だ。
大学、学校では始業式が行われる。整列した1年生を上級生が歓迎し、教員、来賓などが祝辞を述べる。この辺は日本と変わらないが、その後で、全学年で一定のテーマにもとづく授業が行われるのが、ロシアの特徴だ。「平和について」や「勇気について」の授業だ。
金メダリスト来校
今年の9月1日は生徒たちに思いがけぬプレゼントがあった。ロンドン五輪の金メダリストたちが授業をしてくれたのだ。
西シベリアのオムスク市には新体操のクセニア・ドゥドキナ選手が訪れた。彼女はまだ17歳で、今年11年生になる。ドゥドキナ選手に会いにやって来た生徒たちは初めて金メダルを目にし、手に取って大喜びだった。
レスリング男子グレコローマンスタイル74キロ級の優勝者ロマン・ブラソフ選手はノボシビルスクの母校を訪れた。15年前にここに入学した時に、先生に「将来何になりたい?」と尋ねられて、「オリンピックのチャンピオン」と答えたことをよく覚えている。
仕度に最低2万円
モスクワなど大都市以外での平均給与は、月2万ルーブル(4万8000円)をわずかに上回る程度だ。その一方、今年の新学年の準備に要する費用は、一人につき最低でも平均9000ルーブル(2万2000円)になる。制服を買い、教科書やバッグ、ノートなどをそろえるのに、これだけかかる。
だが、2人の学童の母親で、モスクワに住むイリーナ・マトベーエワさんは9000ルーブルでは済まないと次のように語る。「それは地方の平均価格に基づいた数字であって、ブランド品は除外されている。最近の子供は、地方の農村でも最高の制服や靴を欲しがるものです」。
低所得者向けセール
低所得層の家族を対象とする新学年開始セールでは販売員の中にも、陳列された製品の品質に対して疑いを持つ人がいた。女性販売員は「販売されているのはほとんど粗悪品です。例えばこのキャラクター付きのリュックサックを見てください。ひと月も経たないうちに壊れてしまいますよ」と話していた。
9月1日には4万 7823校が始業式を迎えた。今年度は1335万6000人の生徒が始業式に出た。昨年と比べて26万人近い増加だ。
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