ロシアが北米大陸の拠点フォート・ロスを建設

=ポーロ・ミラー撮影

=ポーロ・ミラー撮影

1812年の今日、ロシアの商人イワン・クスコフが、カリフォルニア北部に、北米大陸での拠点となるフォート・ロス(Fort Ross)を建設した。

18世紀から、ロシアの毛皮商人、狩猟家、企業家などが、アラスカとアリューシャン列島の開拓を始めた。

その結果、アメリカ西海岸の北部に、ロシアの集落がいくつか生まれ、それらは「ロシア・アメリカ」と呼ばれた。

フォート・ロスは、サンフランシスコの北80キロのところに位置し、当時のロシア人集落のなかで最も南にあった。

フォート・ロスは、ロシアの国策会社「露米会社」が1841年に売却するまで、ロシアの北米大陸における拠点として機能し、30年間にわたり、毛皮加工と交易に従事した。

住みやすい天然の要害 

この集落があった場所は台地で、海に面していた。周囲を深い谷で囲まれていたので守りやすく、天然の要害でもあった。放牧地、森もあれば水も豊かで(スラビャンカ川)、気候もこの地域では最も住みやすかった。

ここに1812年、ロシアの商人イワン・クスコフが、95人のロシア人と80人のアリューシャン人とともにやってきた。ここは、法律的にはスペインの所有となっていたが、インディアンが支配していたので、クスコフは、彼らからこの地を買ったのだが、その代価は、毛布3枚、ズボン3本、斧2本、鍬3本、それにビーズ数本というものだった。

現在は国立公園に 

フォート・ロスは、木製の要塞で、そのなかにあらゆる必要な施設が入っていたほか、カリフォルニア最初の正教の建築物、「聖三位一体礼拝堂」も建てられた。

フォート・ロスは1841年以後、何度か転売される。ロシアのアメリカ開拓自体も、1867年にロシアが米国にアラスカを売却して(720万ドル)、終止符が打たれた。

現在、フォート・ロスは、カリフォルニア州国立公園に含まれている。歴史的遺産として保護されており、博物館もある。

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