ラブロフ外相:「東方シフトはしない」

=タス通信撮影

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9月5日、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、ロシアが西側との関係を犠牲にしてアジア諸国との関係発展を優先させることはないと述べたが、同時に、シベリア・極東発展は優先事項だと強調した。日本との関係については、国連憲章を援用しつつ、「現実の承認」が対話の基本的出発点になるとの考えを改めて示した。

 ラブロフ外相は、ロシアのいわゆる東方シフトの可能性について、次のように述べた。

 「ロシアは地理や歴史などの巡り合わせにより、また祖先の活動のおかげで、すでに西にも東にも南にも北にも向いているので、いかなる方向転換もありえない。ロシアの地質学的、地政学的、経済的状況を最大限利用することがロシアの国益に適う。周知の通り、シベリアおよび極東地域の社会的経済的発展は、ロシアの優先事項の一つだ」。

 また、同外相は、ロシアがアジア太平洋地域の大部分の国とビザの撤廃に関する問題を話し合う用意があることを明らかにした。

 これに関連して同外相は、アジア太平洋協力会議(APEC)加盟国の枠内で、すでにビジネスマン向けに簡素化された出入国制度が導入されている点を指摘した。

「日本とは“現実の承認”を基礎に対話」 

 日本との関係については、ラブロフ外相は、国連憲章の規定を考慮した上で、平和条約の締結に関する対話を日本と継続していく用意があるとし、次のように強調した。

 「国連憲章に明記されている“現実の承認”を含めて、合法性ということが基本的な出発点の一つだ」。

 国連憲章では、これを採択した国は第二次世界大戦後に形成された国境の不可侵を承認する、と定められている。

*元原稿:http://vz.ru/news/2012/9/5/596663.html 

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