露国営銀行 トヨタ車生産の合弁企業に22億円融資

=タス通信撮影

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ロシアの国営銀行の対外経済銀行(VEB)は、ウラジオストクのトヨタ「ランドクルーザープラド」の生産計画に、企業資産を担保として8億7千万ルーブル(約22億円)の融資を決めた。自動車産業における国立銀行の積極的な姿勢は、この部門の発展に対する国家の関心の高さを示している。

合弁企業でトヨタ車を生産 

「対外経済銀行(VEB)は、企業資産を担保として、「ソラーズ・ブッサン」社に対する8億7千ルーブル(約22億円)の5年間融資を決めた」と同銀行の代表が述べた。

「ソラーズ・ブッサン」社は、ロシア自動車大手のソラーズ社と三井物産がウラジオストクに設立した合弁企業だ。

「ソラーズ」社の代表は、「『ソラーズ・ブッサン』社(ディストリビューターはトヨタで、提携2社の出資比率は各50%)は、ウラジオストクでトヨタのスポーツ用多目的車(SUV)「ランドクルーザープラド」の生産を行う。融資協定はすでに8月9日に締結され、融資はすでに開始された」と明言したが、詳細は明らかにしなかった。

露自動車大手「ソラーズ」社の多角経営 

「割当額は、VEBのプロジェクトへの融資額を20億ルーブルからとする覚書に反するものではない。トヨタの『ランドクルーザープラド』製造は、沿海州での自動車生産と自動車部品製造の大プロジェクトの一部なのだから」とVEBは説明する。

2009年にVEBは、自動車メーカー「ソラーズ極東」の建設に18億ルーブルを融資し、そこでは「双竜自動車」のオフロード車4車種(生産能力3万台)のライセンス生産が行われた。このプロジェクトに投資されたのは、全部で約50億ルーブルだ。「資金の大半は、インフラ整備に使われた」と「ソラーズ」社代表は言う。

トヨタ車、年内に生産開始 

極東に作られた敷地は、契約によるトヨタの「ランドクルーザープラド」の組立にも利用される。「設計上の年間生産能力2万5千台の工場(事実上、新しい工場棟)の建設はすでに完成に近づいており、2012年末には組立が始まる」と「ソラーズ」社代表は言う。

車の生産は、第一段階ではノックダウン方式で行い、将来的には現地生産が予定されている。「そのため『ソラーズ』社は、部品メーカーを極東エリアに誘致するため、部品メーカーと交渉中だが、今のところ、具体的な合意は得ていない」と同社代表は言う。

マツダ車も今秋に 

双竜車とトヨタの「ランドクルーザープラド」のほか、「ソラーズ」社は、極東でマツダ車の生産を稼動させる。マツダ社との合弁企業(出資比率は各50%)の枠内の事業だ。

マツダのクロスオーバーSUVとセダン6の、契約による組立は、今秋に開始され、工場の生産能力は、最初は年間5万台、その後は7万台になる。このプロジェクトへのVEBの融資の可能性について、「ソラーズ」社代表はコメントしようとはしなかった。8月に「ソラーズ」社は、合弁企業の登録資本金に7億5千万ルーブルを投入した。

VEB、アフトワズ社とガズ社にも融資

 VEBは、ロシアの他の自動車メーカーとも協力している。同銀行は、ガズ(GAZ)グループの一員であるヤロスラブリ・エンジン工場発展のため、58億ルーブルを融資し、春には、「アフトワズ」社と諸計画についての覚書を交わした。それによれば2020年までの同社の発展プログラムの一環として、工場のプロジェクトへの融資に同銀行が参加する可能性が検討されている。

国家の関心の高さを反映 

自動車プロジェクトへのVEBの参加は、自動車産業の発展に関心を寄せる国家の立場の反映だ」と「アフトビジネス・レビュー」誌編集長セルゲイ・バラノフ氏は考える。

「ロシア最王手のロシア貯蓄銀行(ズベルバンク)の一連の試みも、この趨勢に一致している。たとえば、2009年にマグナ社との企業連合でGMからオペル社の管理書類を買い取ろうとした試み、ロシア政府と共同で計画されているジル(ZIL)工場の敷地で、120億ルーブルの投資により、年間5万台の生産能力をもつ、自動車の契約組立の実施、また、貯蓄銀行の参加により、サンクトペテルブルグ郊外に生産能力12万台、費用320億ルーブルの自動車工場を建設することなどがそれだ」。