=ロシア通信撮影
このグループは、大統領選挙中だった今年2月に、モスクワの救世主大聖堂に覆面をして入り込み、聖職者しか入れない聖壇前で、「聖母マリアさま、プーチンを追い出して!」と歌った。この聖堂は、クレムリンに程近く、大統領もしばしばミサに列席する。グループの若い女性3人は、3月から拘留され裁判が続いていた。
事件は大反響を呼び、正教徒が「正教を守る」ための数十万人規模の大集会を開く一方、人権団体や野党は、言論の自由の弾圧だとして、当局を非難し、国論を二分させていた。グループの背後に黒幕を予想する陰謀論もささやかれている。
検察当局は、女性3人は事前に示し合わせて「正教会に挑戦」したとし、「フーリガンの行為」で懲役3年を求刑していた。
ロシアの世論調査機関「レバダ・センター」の最近の調査によると、44%が裁判は「公正で、客観的」に行われているとみなしている。また、36%は、判決は、犯罪が証明された上でなされたものと考えている。
その一方で、17%は、裁判の公正さを信じず、18%は、この判決が「上からの」指令によるものだとみている。
概して、国民のこのパンクグループに対する見方は、彼女ら寄りではなく、当局のそれに近いようだ。41%の回答者は、この裁判は、「正教の信者の憤懣に基づくもの」と確信している。
他方、この裁判が、当局による見せしめで、野党を脅かすのが目的だとか、キリル総主教やプーチン大統領の「仕返し」だという意見もあり、こうした反当局的な回答の割合は、計25%となる。
人権団体「人権のために」のレフ・ポノマリョフ代表は、「教会と政権は、最も保守的で無教育な層にすり寄っている。その結果、この裁判を非難する、教養ある層と、洗脳された層との対立が生じている。行き着く先は、正教のイランになる恐れがある」と警告した。
*コメルサント紙の資料を使用
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