APEC内で協力:放射線技術の応用

=ロシア通信撮影

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放射線技術(RT)の応用

アジア太平洋経済協力会議(APEC)の枠内で2012年の実現を目指すプロジェクトが進んでいる。

そのテーマを要約すると、放射線技術(RT)を健康、エコロジー、輸送および食の安全の面で応用できるようにAPEC加盟国間で協力する、ということになる。

この構想は、ロシアの大統領と政府の決定に基づき、未来のテクノロジーおよび技術革新プロジェクトの特別支援組織として創設された「スコルコボ」センターのチームにより推進されつつある。

なぜ今、放射線技術に力点が置かれているのか。 「フクシマ」原発での事故の結果に起因しているのか。

RT装置、70年代から

1970年代初頭には、先進国で放射線によってポリマーを加工する最初の装置がお目見えした。放射線技術(RT)を用いた重要なプロセスの一つは、ポリオレフィンの放射線接合である。70年代半ばには、ポリエチレンおよびポリ塩化ビニール製品の供給者は自社の生産システムにおいてRTを有していた。2000年代初めには、日本だけでもポリマーの加工に使用される加速器が約200基設置された。
報告『放射線技術。産業のキャラクターと生活のクオリティーを変えながら』、モスクワ、2012年

この問いに対してスコルコボ核技術部門の責任者であるデニス・コワレービッチ氏は次のように答えている。

「RT市場の潜在的規模が向こう10年間で4千億ドルないし5千億ドルに達するということです。『フクシマ』との直接的な因果関係はありませんが、グローバルな意味では関係しています。RT市場は成長しつつあり、今後も成長します。すでにRTの世界市場は2千億ドル規模に達し、原子力エネルギーのサービス市場規模と肩を並べています。年平均10%成長すれば、エネルギー部門を超えることは必至です」。

コワレービッチ氏は、さらに次のように語る。 「世界の大手企業百社のうちで5社に1社は、生産および技術面のプロセスにおいてなんらかの形でRTを利用しています。医療面では、腫瘍の診断、治療や医療用の製品、物質の滅菌用に、輸送の安全の面では、乗客と荷物の検査のシステム創出のためなどです」。

1年前、スコルコボ核技術部門はグローバルな長期的発展に資するテクノロジーを支援することを決定した。アジア太平洋地域の市場と技術革新ビジネスの分野としてのRT市場は、どちらも有望とみている。

コワレービッチ氏は「放射線技術は近い将来、現代の産業にとっての技術的基盤となるチャンスを有していると確信しています」と語っている。