飛んでイスタンブール

=ウラジミル・フェドレンコ/ロシア通信撮影

=ウラジミル・フェドレンコ/ロシア通信撮影

 ロシア人にとって最高のバカンス、それはビーチと椰子の木陰。トルコは「食事含めすべて込み」いう言葉でロシアの旅行者たちの心を掴んだ。
物不足に喘ぐ旧ソ連人にとってそれは夢物語に思われた。去年は350万人のロシアの旅行者がトルコを訪れ、今年はその数が少なくとも5〜7%増えるとみられる。

 

ドイツ人を抜きそう

 ロシア観光局は人数でロシア人がドイツ人をそろそろ追い抜くものとみている(トルコのリゾートは元々ドイツからの旅行者のための保養所として建設された)。
 トルコはだいぶ前からロシア人にとって身近な国であり、ホテルの従業員やショップの店員やカフェの給士はロシア語を自由に話し、よく理解する。ロシア語の看板やラジオや新聞もあり、ロシアから来る人も自国にいるような感覚だ。

サマーキャンプも人気

 サマーキャンプはロシアで最も人気のある子供の夏休みの過ごし方だ。1920年代初めに、ソ連における児童の共産主義組織・ピオネールにより、学童用教育保養施設が造られた。そこではスポーツや軍事愛国教育に主眼が置かれた。
 80年代にはソ連には都市郊外に4万近いピオネールキャンプがあり、年間1000万人の子供が休暇を過ごした。
 ソ連崩壊後、ピオネールの廃止とともにほとんどのキャンプは民間の旅行者用宿泊サービス施設やペンションなどに姿を変えた。
 今日、サマーキャンプは音楽からサッカー、外国語、さらには肥満解消セミナーやリーダーシップを育むトレーニングまで多彩なプログラムを用意している。

 そこにひかれ、ロシアの旅行者は昨シーズン、トルコで約30億ドル(約2300億円)を消費し今年、その額は増える。

 ロシア人は休息にはお金を惜しまず、旅先ではお金を残らず使い果たす。イタリアのブティックやアラブ首長国連邦の宝石店ではロシア語が絶えない。

 

スペイン・ギリシャも

 休暇で国外へ出かけるロシア人は年間約1200万人。もちろん、トルコに限らない。今シーズンは、経済危機により割安感のあるスペインとギリシャが人気だ。クロアチア、モンテネグロ、ブルガリアといった海のリゾートも依然として人気が高い。

 一方、ロシアという広大な国には、湖や森といった自然を満喫しながら休暇を楽しめる場所も多い。値段に応じた選択も可能だ。ソチでは2500ドル(約20万円)で2人して五つ星ホテルで1週間というのもあれば、10ドル(約800円)で民家の一室を借りることもできる。

 クラスノダール地方にはアナーパやゲレンジークといったもっと手頃な保養地がある。

 世論調査によれば、ロシア人の4人に1人は国内の海のリゾートで休暇を過ごす。

 ロシア人は子供の休暇にもお金を惜しまない。今年、その費用は15〜20%増加した。

 モスクワ郊外で3週間過ごすには2万8000~4万5000ルーブル(約7〜11万円)、黒海沿岸では2万5000~3万5000ルーブル(約6〜8万5000円)かかる。

 

ピオネールキャンプ

 子供をキャンプへ行かせる伝統はソ連時代から。ソ連生まれの子供は少なくとも一回はピオネールキャンプを体験したことがあるはずだ。ラッパの音で起床して広場に整列し、隊列を組んで食堂へ行き、愛国歌を歌う。すべてイデオロギー教育の一環だった。

 しかし、多くの大人たちにとって、そうしたキャンプは初めて恋をし、ギターの調べに身をゆだねてファイヤーの炎を見つめた子供時代の忘れえぬ一頁である。