火星の生命探査にロシア製装置

火星探査車「キュリオシティー」の火星表面の写真 =タス通信

火星探査車「キュリオシティー」の火星表面の写真 =タス通信

8月5日に火星着陸に成功した火星探査車「キュリオシティー」(Curiosity)は、ロシア科学アカデミー宇宙科学研究所で開発された「DAN(中性子ダイナミック反射率装置)」を用いて、火星の表面を調査する。また、火星からNASA(アメリカ航空宇宙局)のサイトに送られる動画が、ロシアの高性能なウェブ・サーバー「エンジンエックス(Nginx)」によって展開される可能性が高い。

火星表面を深さ1メートルまで透過し、水の含有率を調査

ロシア科学アカデミー宇宙研究所の広報部は、次のように説明した。「火星の表面は、火星で起きた砂嵐により、ほこりで覆われています。そのため、重要な地点で鉱物や生物指標化合物(バイオマーカー=生命体の状態を示す指標)を調査するためには、ほこりを通して『のぞきこむ』必要があります。『キュリオシティー』に搭載されている『DAN』なら、この課題を解決できます」。

「DAN」は、火星の表面を深さ1メートルまで透過する、中性子の強いインパルスを、定期的に調査する。中性子の表面反射率は、水素が物質にどれだけ存在するかで決まる。水素は、水の分子構造に含まれる。

したがって、「DAN」のデータを見ることで、「キュリオシティー」の下にある地表に、どれだけ水が含まれるか推測できる。つまり、鉱物の水の含有率が高い、貴重な場所を探り当てられるわけだ。水の含有率が高ければ、生命の痕跡の発見も期待できる。「DAN」には近日中にスイッチが入れられる。

「キュリオシティー」には総重量75キロとなる10機の科学装置が搭載されているため、地質学的および地質化学的な細かい分析、大気や気候の調査、また水やその痕跡、有機物質の探査などが可能となり、結果的に、火星に生命が存在したか、現在生活できるような場所があるか、などがわかる。

                

NginxでNASAの試験中継

一方で、ウェブ・サーバー「エンジンエックス」による、NASAへの火星探査の試験中継が行われたことで、その実用化が期待されている。「エンジンエックス(Nginx)」社のマクシム・コノワロフ社長はこう述べた。「動画配信に、『エンジンエックス』が採用されるという正式な連絡はまだきていませんが、中継インフラに当社のサーバーが使われたことはほぼ確実です」。

火星探査車「キュリオシティー」は、2011年11月26日に打ち上げられたが、この時の地球と火星の距離は2億400万キロだった。最終的な飛行距離は、火星に「追いつく」ために、5億6700万キロにふくらみ、8か月かけて火星のクレーターのゲールに到着した。