「食糧安保」も議題

=ロシア通信撮影

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ウラジオストクでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)を1カ月後に控え、議長国ロシアの優先事項は、輸送、地域統合、食糧安全保障、技術革新であることが明らかになった。

こうしたテーマがAPEC諸国の首脳らに差し向けた提案の根幹をなしている。7月半ばのホーチミンでのAPECビジネス諮問委員会(ABAC)の最後の会合でまとめられた。

国家ビジネスセンターの代表の話では、ロシアの重要な成果は食糧安全保障上のパートナーシップの創出である。ロシアは現在、2千万トンを超える最大の穀物輸出国の一つであり、2020年までに輸出を倍増する目標を掲げている。これを実現するためロシア側は市場の透明性を高めてボラティリティーを下げようと、穀物の備蓄と需要に関する情報システムを創出している。アジアには食料不足に悩んでいる人々が約6億人おり、彼らはロシアの穀物の消費者となりうる。

APECでのロシアの優先事項である輸送と物流も、ビジネス界の関心を惹いている。Infranewsのベズボロードフ社長は、地域諸国との貿易やロシア経由の輸送の発展のためには港湾へのアクセスを拡大する必要があるとみている。

 アジア太平洋経済協力会議(APEC)の日程  (議長国・ロシア)
8月29日APEC財務大臣・中央銀行総裁会合モスクワ市 
8月30日APEC財務大臣会合モスクワ市
9月2日~4日青年フォーラムウラジオストク 
9月2日~3日 APEC最終高級実務者会合 ウラジオストク 
9月4日~6日 第4回APECビジネス諮問委員会会合 ウラジオストク 
9月5日~6日 第24回APEC外務大臣・貿易大臣会合 ウラジオストク
9月7日~8日 APEC・CEOサミット ウラジオストク 
9月8日~9日 第20回APEC首脳会議 ウラジオストク 
9月9日~11日 APEC防災担当高級実務者会合 ウラジオストク 
10月 APEC自動車対話会合 ウラジオストク 

「ロシア企業は、港湾インフラの整備に巨額の投資を行い、穀物、石炭、コンテナ用のターミナルを建造しているが、鉄道の輸送能力が低いため、国の潜在能力を活かせていない。向こう数年間でコンテナ貿易は千五百万TEU(20フィートコンテナ換算)まで増大するはずだが、現在のインフラではそれだけの量を処理できない」。

首脳らへの書簡には「グリーン建設」に関する提案、すなわち、APEC諸国の都市の発展に関する勧告も盛り込まれた。ウラジオストクでのサミットで、プーチン大統領らの首脳に伝達される。

50年までに人類の70%が都市に住むようになる(現在は35億人)。ロシアの提案に基づいて、Ernst&Young(E&Y)の専門家らは、整備されたインフラ、グリーンハウス、合理的な生活コスト、管理に参加する住民という新たな都市環境の国際標準の定式化を試みた。7月半ば、その中身がAPECビジネス諮問委員会に提示された。ロシアでは、スコルコボが最初の未来都市となりうる。

APECリサーチセンターのイバシェンツォーフ副所長の話では、ロシアの実業界は、初めてビジネス共同体におけるきわめてアクティブなオーガナイザーの役割を演じており、具体的で熟慮された提案を行っている。

APEC2012・ABACのマゴメードフ議長の提案に基づき、ロシア企業とアジア諸国のビジネスの懸け橋となるAPEC国家ビジネスセンターが創設された。メンバーやパートナーにはVTB銀行、スコルコボ財団などが名を連ねている。