“天と地の結婚”:宇宙での最初で最後の挙式

=ロイター/Vostock-Photo撮影

=ロイター/Vostock-Photo撮影

2003年の今日、宇宙で最初の結婚式が行われた。 

新郎は、41歳の宇宙飛行士ユーリー・マレンチェンコさん(結婚は2度目)で、式の当日は、国際宇宙ステーション(ISS)にいた。

新婦は、ロシア出身のアメリカ人エカテリーナ・ドミトリエワさん(26)で、テキサス州ヒューストンのジョンソン宇宙センターにあった。エカテリーナさんは、まだ子供のころに、両親と共にソ連から米国に移住していた。マレンチェンコさんは、未来の花嫁とヒューストンで、飛行トレーニング中に知り合った。

式に間に合わない! 

マレンチェンコさんがプロポーズをしたのは、2003年4月に予定されていた打ち上げの4ヶ月前のことで、式は、彼が宇宙から帰還してから、8月に挙げることにしていたのだが…。

ところが、すでに宇宙にあったマレンチェンコさんのところに、宇宙センターから、宇宙滞在が2003年の10月28日まで延びるとの通知が来た。

だが、マレンチェンコさんは、式は延期しないことに決め、その旨ロシアと米国の宇宙センターに通告した。ちなみに、テキサス州の法律では、「然るべき理由があれば」、新郎は式を欠席しても結婚登録は可能なのだ。

新郎の指環と蝶ネクタイは宇宙船プログレスで“空輸” 

 式の当日、新郎新婦は、モニターを通じてお互いを見つめ合い、自分で結婚指環をはめた。その新郎の指環と蝶ネクタイは、宇宙船プログレスで“空輸”した。

米国では、この宇宙初の結婚式は一大センセーションとなった。

マレンチェンコさんの指環は、いかにもそれらしいデザインで、金地に散りばめられた宝石が太陽系の惑星と太陽、それにISSをかたどっていた。

結婚の署名は、マレンチェンコさんに成り代わって、ジョンソン宇宙センターで弁護士がした。

しかし、これは最初で最後のケースになりそうだ。宇宙飛行士たちが、打ち上げの前に署名する契約に、新条項ができたからである。宇宙滞在中の結婚式を禁止する、と。

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