ルノー・日産と3社連合を組むことになったアフトワズの工場 =Reuters撮影
最終合意文書の調印後、ルノーと日産は、7億5千万ドルを段階的に合弁企業へ投資する義務を負う。
その内訳は、ルノーが3億ドルで、日産が4億5千万ドル。ロシア側は、アフトワズへ提供されたクレジット2億4千万ドルの不採算部門の整理や事業再構築の義務を負う。専門家らは、この取引が双方に利益をもたらすとみている。
3社ともに利益
分析会社アフトスタートのセルゲイ・ウダローフ執行責任者はこう述べる。「すべての参加者にそれぞれのメリットがある。
ロシアの俳優でレーサーのフォメンコ氏と投資家のオストロフスキー氏が08年12月に発表したツードアのスポーツ車「マルーシャ」(写真上)はB1とB2の両タイプが生産されている。最大の特徴はデザインと部品の80%がロシア製である点だ。マルーシャは、1120万円と、この車種としては低価格だ。B1タイプが10年9月に販売が開始された。現在、B2タイプの予約注文が行われていて、5月に500台に達した。公式サイト
『アフトワズ』は世界ブランドが提供する技術へのアクセスが可能となりグローバルな自動車産業の一翼を担うことができる。ルノーと日産は産業基盤と、即戦力となる人材を手に入れることができる」。
アフトワズとの提携により、ルノー・日産は、世界の自動車業界における地位を不動のものとするばかりでなく、ロシアおよび独立国家共同体(CIS)諸国における立場を強化することができる。
たとえば、仏日コンツェルンは、ロシアの自動車市場の40%のシェア獲得を目指している。とりわけ、16年までに新車販売を年間160万台にまで増やす考えだ。
新ライン設置
このためアフトワズにはすでに年間35万台を生産できる最新のラインが設けられ、現在はラーダ・ラルグスの生産が行われている。
数年後にはアフトワズのもう一つのモデルの生産が開始される。
実際には05〜12年生産の日本のモデル、ブルーバード・シルフィーの焼き直しであるこの自動車は、すでにアフトワズでテスト生産が行われている。
日産は日本での生産は終了してはいるものの、このモデルに大きな期待を寄せている。
ロシア製ハイブリッド車の生産が今年末から始まる。クロスクーペ(写真上)、マイクロバン、ライトバンの3タイプ。生産台数は4万5千に対して、予約注文は6万台を超える。87万5千円から120万円という低価格で、燃費は走行100キロ当たり最高3・5リットル。時速100キロまでの加速時間は10秒だ。開発で大きな役割を演じたのは、ヤロビト・モーターズ社と契約を結んだ政治家のプロホーロフ氏である。公式サイト
ロシアの大手ディーラーの担当者は「国内の自動車の半数は7年を超えており買い替えが必要。ただ、国民の所得水準は高いとは言えないので、価格と性能の兼ね合いが重要だ」と指摘している。
国際自動車ホールディング『アトラント-M』のアレクセイ・チェレーシチェンコ戦略発展部長も「車の需要は価格次第。正しい価格設定をすれば、新アルメラはまず、大宇のネクシア、さらにはルノーのロガンのシェアを奪うだろう。それから、やはり古くなったラーダのプリオラとカリーナの交替もある程度起こるだろう」と語る。
ニュー・ブランド
日産は14年までにアフトワズでダットサン・ブランドの車の生産を開始する計画だ。これは極めて手頃な車としてアフトワズの製品の向こうを張るものと想われる。
日産は難題に直面している。というのも、ニュー・ブランドの導入には販売を促進し知名度を高める多大な努力が必要だからだ。
連合のパートナー社、ルノーがロシアでダチア・ブランドを導入せず、ルノー・ブランドとして大衆車のロガンやダスターを販売することにしたのもそのためである。しかし、これは功を奏さなかったと専門家らはみなしている。
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