「アンガラ」ロケットの模型=タス通信撮影
7月20日以降から始められた試験は約3カ月間続けられ、稼働の準備が整えられる。専門家は「アンガラ」ロケットのプロトタイプを使い、電気学試験および気体力学試験を全面的に実施する。
「アンガラ」ロケットの製造が開始されたのは1995年で、ロシア国内の宇宙基地に対応しており、ロシア製の部品のみで製造される。軽量級から重量級に対応できる打ち上げロケットだ。
軽量型打ち上げロケット「アンガラ1.2PP」と、重量型「アンガラA5」の製造は、フルニチェフ国立宇宙科学・生産センターで現在行われており、2013年半ばに飛行試験が開始される予定となっている。
「アンガラ」シリーズは、酸素とケロシンを燃料にしたエンジンのユニバーサル・ロケット・モジュールを基にした、次世代型打ち上げロケットであり、1.5トンから25トンまでの貨物を低軌道に投入できる。
「アンガラ」を基に超重量型ロケットの製造も
有人月飛行が可能
また、先にロシアでマスコミ各社が報道したように、「アンガラ」をベースにして、有人月飛行が可能で、70トン級の打ち上げ能力を有する、超重量型ロケットの製造も計画されている。
この数字は現行のロケットとしては世界最大となるが、ソ連製の「エネルギア」ロケットは105トンの打ち上げを記録している。このロケットは、くり返し飛行可能な宇宙船「ブラン」(ソ連版スペースシャトル)を、低軌道に投入するために造られた。
米NASAも次世代大型有人ロケット計画を発表
2011年9月、アメリカは165トンの打ち上げ能力がある、超重量型ロケット「SLS」(Space Launch System=宇宙発射システム)の製造計画を発表した。プロジェクトにかかる費用は350億ドルで(約2兆8000億円)、うち180億ドル(約1兆4400億円)が今後5年以内に支出されるという。
有人月飛行を可能としたアメリカの打ち上げロケット「サターン5」の能力が130トンであることを考えると、「SLS」が非常に大型であることがわかるが、「SLS」の初期型は、70トン以下に抑えられている。アメリカが超重量型ロケットを試験的に打ち上げるのは、2017年12月以降となる予定。
「ロッシースカヤ・ガゼータ」の記事の抄訳
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