ロシア極東に大規模な総合農産業施設が誕生

=タス通信撮影

=タス通信撮影

日本はこれまで、ロシア極東の農業に格別な関心を示してこなかったが、明らかに状況は変わりつつある。最近数ヶ月の間に、日本の農業専門家の代表団が入れ替わり立ち代りシベリア、極東を訪れ、農業ビジネスについて協議している。

日本側の高まる関心  

北海道の農業専門家たちの代表団は、シベリアのブラゴベシチェンスクで、チギリンスキー農産業施設建設への投資について協議した。この施設は、アムール州の最近のプロジェクトのなかでは最大規模になる予定で、農産物の加工、保存、販売に使用される。

ほぼ同時期、アムール州では、東京の農業大学や工業大学の学者たちと愛知県の農業ビジネスの代表者たちによって共同で、農工業施設に関する大規模プロジェクトのプレゼンテーションが行われた。また日本の他の県も、ロシア極東における共同農業プロジェクトの実現に関心を持っているという。

投資して生産物は自国へ 

「デイリーニュース誌」編集長で、農業の専門家であるミシェンコ氏は、農業分野における露日間の協力の展望について、次のように語っている。

「極東は日本、中国、韓国の投資家にとって魅力的でしょう。これらの国では、食料需要が常に増加しているため、豆やトウモロコシ、ジャガイモなどの輸入が増加傾向にあります。これらの国は、ロシアの農業に資金をつぎ込み、生産物を自国に送ることを考えていると思います。その際、ロシア側にとって重要なのは、極東のインフラ整備が不可欠であることを考慮することですね」。

 極東の農業の可能性 

ロシア極東の農業には、大きな可能性がある。

①現在使用されていないか、有効利用されていない厖大な土地がある、②気候条件も良く、周辺地域の食料需要は常に高い、③地の利が良く、ロシア国内およびアジア太平洋地域へ輸送に便利。

主な問題は、労働力と最新の農業技術の不足だ。

ロシアはアジア太平洋地域のパートナー国に対して、かなり前から農業分野における積極的な協力を呼びかけている。中国と韓国はロシアの呼びかけに応え、極東では、両国の直接参加のもとですでに一連の農産業施設が活動している。

それらの施設では、最新の生産性の高い技術が活用されているほか、ロシア人の雇用も保証している。

先行する中、韓 

13億の人口を抱え、ロシア極東と境を接する中国は、早くも4年前には、アムール州などで計5千ヘクタールをレンタルするなど(レンタル料は1ヘクタール=10ドル=800円!)、主に極東、シベリアを中心にロシア全土で様々な規模の農場を経営している。

さらに、昨年プーチン首相が訪中した際に、中国側は最大40億ドル(約3200億円)規模の投資ファンドを中露共同で創設することを提案、合意をみた。

ロシア国営の開発対外経済銀行(VEB)のドミトリエフ会長は、「農業プロジェクト」を投資対象候補の一つに挙げている。

韓国では、韓国造船最大手の現代重工業が昨年9月下旬、沿海地方ウラジオストクの150キロ北方に農業法人を設立したと発表した。広さは6700ヘクタールで、今年から豆、小麦などを年間7千トン生産する計画。

同社はすでに2009年に、ウラジオストク近郊の農地1万ヘクタールを6億円で買収済みで、農地を5万ヘクタールまで拡大する予定。

いかに国益とバランスさせるか 

ロシア極東の自治体は、農業プロジェクトに日本が参加することを望んでいる。これは、最近数年間で中国側からの投資があまりにも増えたことに対する警戒心とも関連している。

食料安全保障は、9月に極東のウラジオストクで開かれるアジア太平洋経済協力(APEC)サミットでも焦眉のテーマの一つとなる。サミットでは、世界の食料供給や流通に関する問題に関する討論も行われる。

「ロシアの声」の資料を使用