=エレーナ・ポチョートヴァ撮影
デザイナーのマルコ・ロッティさんは、次のように述べた。「ロシアをイメージするデザインの要素を徹底的に採用しました。色や字体、また連盟のエンブレムにもロシアらしさが表現されています」。
国旗の色である青と赤を中心とし、黄金のインセットで豪華さを増している。マラソン選手はこれとは違って、白のタンクトップ。大きなポイントは、左胸の部分にある「双頭の鷲」だ。
160グラムの「フライキット」シューズ
「フライキット」シューズはわずか160グラムと超軽量で、上部には縫い目がないなど、革新的なデザインに仕上がっている。「ナイキ」の説明によれば、シューズのデザインには選手自身のアイデアが生かされているという。選手が希望するのは、ぴったりと密着しながらも、それを感じさせない、靴下のような快適性のあるシューズだ。
「ユニフォームの着用感がなくなれば、走っているときに邪魔な物は一切なくなります。オリンピックでどのような戦いができるかについては何も言えません。ただやるべきことをやり、結果を出すだけです」と語ったのは、2008年北京五輪の走高跳金メダリスト、アンドレイ・シルノフ選手(27)だ。
100mを0.043秒速く走れるスーツ
何よりも注目されているのは、ロンドン五輪向けの新作、「ナイキ」の「ターボスピードスーツ」だ。100メートル走で0.13メートル分、最大0.023秒速く走ることが可能となり、従来の短距離走者用の一般的なユニフォームと比較すると、その差は0.31メートル分、最大0.043秒とさらに大きくなる。このような優位性は勝敗を分ける可能性がある。
「ターボスピードスーツ」の速度の秘密は、その軽量性と、肩、脇、背中などの部分にあるディンプル加工(ディンプルは細かいくぼみ)で、ゴルフボールの速度と軽さに似た効果が得られる。デザイナーはこう説明する。「ゴルフボールのディンプルは、空気中で速度や効果を高める働きをします」。
素材はペットボトル
もう一つの特徴はスーツの素材だ。エコの流れに乗り、ペットボトルを再加工して作っている。1着あたり14本のペットボトルが使用されている。
200メートル走と400メートル走のアナスタシア・カパチンスカヤ選手はこう評価する。「私の競技では速度が一番重要ですが、『ナイキ』研究所で開発されたユニフォームを着用すれば、トラックで速く走れて、おまけにロシア的なデザインも入っているのですから、何も言うことはありません」。
「ナイキ」と提携してつくられたユニフォームは練習と競技の際に着用し、表彰式や写真撮影では、ロンドン五輪でロシア代表のスポンサーとなる「Bosco di Ciliegi」社のユニフォームを着用する。
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