原発すべてに新たな安全システム

=タス通信撮影

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ロシアの国営原子力企業「ロスアトム」傘下の「ロスエネルゴアトム」社は、想定される原発事故の被害を低減する対策の一環として、原子力発電所に追加的な設備を導入した。総費用は26億ルーブル(約63億円)、導入されたのは、移動式ディーゼル発電機、移動式ポンプ・ユニット、モーター・ポンプ。

移動式ディーゼル発電機は、次の装置の予備電源となる。すなわち、ポンプ設備、配線器具、予備制御盤、監視計器、自動化装置。これらの装置は、安全、照明その他のシステムを制御する。

移動式ポンプ・ユニットとモーター・ポンプは、原子炉設備の主要な循環回路、原子炉敷地内使用済み核燃料プール、独立型使用済み核燃料庫に、非常用供給源から冷却水を送るための設備だ。

「危険度は0にならない」 

国立原子力研究大学・発展研究所のニコライ・クゼレフ所長は、次のように語った。

「このようなシステムにコストをかけないわけにはいきません。安全管理と自動化装置は、原発コストの40%以上になります。われわれの計算では、理論的な危険度は非常に低く、安全は保障されていると言えるでしょう」。

原発は機械であるため、安全性が0になることはあり得ないという。

「事故が発生した場合、このような原子炉は人間が関わらなくても、最大72時間稼働できるようになっています。ロシアの原子力エネルギー発展プログラムが開始されてからもう7年になりますが、既存の原子炉は残り20年から30年稼働すると、新たな原子炉に変えなければいけません」。

 

原子力発電の代わりはない」

クゼレフ所長は、コストが増大していることを認めた上で、原子力発電の代わりとなるものはないとし、次のように続けた。

「ロシアが必要としている電力をまかなえるような代替エネルギーはありません。ソーラーパネルについては強い疑念を持っています。ロシアは広大な国で、-30度から+30度という温度条件の下で暮らしていて、そのような条件に耐え得る機械があるかということも疑問です。外国の技術はロシアの気候に簡単に適応できません」。

ロシアには全部で原発が10カ所あり、ロシア型加圧水型原子炉が17基、圧力管型原子炉が15基、ナトリウム冷却高速炉が1基の原子炉33基が稼働している。ロシア国内の発電量で原発が占める割合は16.6%だ。