世界を股にかけるおばあちゃん

写真提供:スヴェトラーナ・ドルジニナさんの個人的なアーカイブ

写真提供:スヴェトラーナ・ドルジニナさんの個人的なアーカイブ

65歳のスヴェトラーナ・ドルジニナさんは、ロシア南部のロストフ・ナ・ドヌに暮らし、年に3回海外旅行に出かけている。8年でスペイン、イタリア、ギリシャ、イギリス、インド、チェコ、ドイツ、モナコ、フランス、サン・マリノ、ポーランド、アンドラ、スコットランド、スウェーデン、デンマーク、スイス、ベルギー、オランダ、フィンランド、アラブ首長国連邦、トルコ、ヨルダン、タイ、バチカンなど、25カ国を旅した。

年金を貯めて海外へ 

ドルジニナさんには特別な収入があるわけではなく、月1万1000ルーブル(約2万7000円)の年金で生活している。やりくりがうまいだけなのだ。家での食費は月2000ルーブル(約5000円)に絞り、海外旅行も高望みはせず、すべてエコノミークラスに抑えている。3つ星ホテルや早期旅行予約にすれば、旅はお得になる。旅には、カメラの他に、ロッド式電熱湯沸かし器、朝食用の乾燥食を持参して、食費を浮かせる。カフェなどで時々食事をすることも可能だが、ヨーロッパは生活費が高いため、それは控える。

今年はすでに4回目の旅行を計画している。バルセロナが特にお気に入りで、スペインには何度も旅行しているが、今年9月にはスペイン経由でポルトガルに行き、その後ポルトガル国内を1週間バスで旅する。

人生は旅! 

「年金をほぼ旅行のみに使っています。お酒も飲みませんし、タバコも吸いません。食料はすべて市場で購入し、時間も販売員が仕事を終える閉店間際に限定しています。

「私の夢はオーストラリアに行くことと、アメリカ国内をすべてまわってくることです。地球のパラダイスはインドのゴア州です。常夏の土地と美しく輝く碧い海は比類なきぜいたくです」

仕事に通うように市場に足を運び、『今日はフルーツが安いな、明日は魚が安いな』といった具合に価格で買う物を決め、必ずどこでも値段交渉をします」とドルジニナさんは語った。無駄な物は一切買わず、必要な物だけ安い店でセールの時に買う。 

「旅行をするために生きてるんです。車を運転したり、きれいな服を着たりしてでかけるような場所は私にはないので、お金は車や服には使いません。冷蔵庫を満タンにしても体重を増やすだけですし、体重が増えるということは病気を招くということですから、最小限の食べ物しか保存していません。あまりお感じにはならないかもしれませんが、旅行しない生活は退屈で単調なんです」。

きっかけ

「ずっと質素に生活してきましたが、好奇心は旺盛でした。最初に旅したのは自分の街で、食べ物を買うお金をためて、路面電車に乗ってあらゆる通りをまわりました。収入を得るようになってからは、国内のさまざまな自治共和国を旅するようになりました。 当時は外国に出ることなんて夢物語でしたから。作家のジュール・ベルヌとアレクサンドル・デュマ・ペールが好きだったので、本の世界ではない、実際のパリやベルサイユ宮殿に行ってみたいと思っていて、最初の海外旅行はフランスにしました。パリに3日間滞在しただけでしたが、その建築の美しさに魅了され、自分の夢がかなったことに深く感動しました」。

 地球のパラダイス 

ドルジニナさんがすすめるのは、旅行会社がお得な割引サービスを行う4月から5月のバスのエコノミー・ツアーで、早期予約がポイントだという。また、行き先の国の法律を知っておくことも重要だ。

スペインにはニセ警官がたくさんいて、一人で歩いている旅行者に近づき、脅かして、あれこれ所持品を調べるフリをして物を盗む。本物の警官は書類を見るだけで、調査が必要な場合、警官が一人であればパトロール・カーを呼んで旅行者を警察署に連れて行く。一人ではなく、2~3人で歩くことが好ましいと説明する。


ロッシースカヤ・カゼータ(ロシア新聞)」記事抄訳