ウラジオストクが変わった

=パーベル・リシージン撮影/ロシア通信

=パーベル・リシージン撮影/ロシア通信

今年9月にウラジオストクで開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議に向けた整備の費用は、当初予算の5倍となる、総額6790億ルーブル(約1兆6400億円)が計上された。 APEC後も活用される施設の建設件数も、予定を大幅に上回った。

騒がしいチーハヤ湾(チーハヤは「静かな」の意) 

APECの来賓が最初に通過するルートは、M60幹線道路「ウスリー」だ。長さ42キロのこの道路は、地元市民に「ハイウェイ」や「お騒がせ道」と呼ばれている。

先月下旬、この地域で大雨が降り、20メートルの道路擁壁の一部が崩壊し、道路に亀裂が生じた。被害総額は200万ルーブル(約480万円)以上にのぼり、責任者が解雇されるなど、世間を「お騒がせ」した。この災害を受けて、専門家はすべてのAPEC関連の建築物に対し、再度入念な検査を実施している。

 

スパ空港 

クネビチ飛行場(ウラジオストク空港)の古いターミナルは1970年代に建設され、離着陸用の滑走路へは幅の狭い滑走路で移動しなければならない。そのため、ビジネス・ジェットや小型機しか接近できない。大型機がこのターミナルを利用する場合は、2キロ離れた場所に留める必要がある。

この空港は現在年間150万人の乗客を受け入れているが、軍用機と旅客機が共同利用している状態で、当初の構想に無理があったと言わざるを得ない。この滑走路近くの新ターミナル建設案が浮上した際、ロシア国防省は反対していたが、ウラジオストクへの軍用機乗り入れ自体が減少していることもあり、大きな問題とはなっていない。

新ターミナルの旅客処理能力は年間350万人以上だ。まだ完成していないが、空いたスペースにはスパ・サロンが設けられるかも。

ルースキー島連絡橋 

東ボスポラス海峡を横断してAPEC開催地のルースキー島につながる、この全長3キロのケーブル橋は、壮麗な建築物だ。主塔は高さ320メートルで、香港の昂船洲大橋(ストーンカッターズ橋)の298メートルと比較するとその高さがわかる。

極東連邦大学の新キャンパスと、豪華な噴水つきの大学海岸通りが建設されているルースキー島には、100万平方メートルの不動産がある。APECの首脳陣が宿泊する予定の同大学の教職員用住宅は、クラシックなペントハウスさながらで、首脳陣以外のAPEC参加者が宿泊する予定の同大学の学生寮も、一流ホテルの客室のようなつくりとなっている。

貿易港として

ウラジーミル・ミクルシェフスキー沿海地方知事は、州政府の重要な課題の一つが人口流出を抑えることだと語る。現在の同地方の人口は約200万人で、1990年代初めに比べて実に4分の1にまで減少している。同地方としては、APEC後に残るインフラを、保養地区や生産地区の創設に活用したい考えだ。

また、ウラジオストクの北東約40キロにあるアルチョムのウスリー湾沿いにカジノを建設中で、それにより観光収入を得て、自治体の財政にあてたいとしている。ルースキー島にも観光経済特区を創設する予定だ。

経済界はウラジオストクを、はるか極東の一番隅のヨーロッパ都市から、ロシアの玄関また貿易の拠点に変えたいと考えている。

「コメルサント」紙抄訳