ちなみに、この元工場は、レストランやクラブなども集まり、人気スポットとなっている。
「私たち」と名付けられた展覧会は、300点ものソ連時代の写真からなる。写真は1910年代初頭からペレストロイカにまで渡り、プライベート・コレクションや写真家の財団から広く集められたが、展示の中核は、同写真センターのコレクションだ。
大家も新顔も一堂に
美術の世界では既に古典となっている画像のほかに、知名度こそ低いが、才能ある写真家の作品も展示されている。ウラジーミル・ラグランジュ、イーゴリ・グネワシェフ、パーベル・クリフツォフ、ワレリー・ペルベンツェフ、ユーリー・ルンコフの他に、今まで出版、展示されたことのないアーティストもいる。
展覧会には、ソ連時代に人気のあった「アガニョーク(ともしび)」、「ソビエト連邦」、「ソビエト・フォト」や「女性労働者」などの雑誌の表紙を飾った子供の肖像写真やカラー写真も揃っている。
「私たちは、優しくて真心のこもった、人々を一つにしてくれるようなプロジェクトを構想したのです。前向きな気持ちで過去を振り返り、この写真展が過去と現在の橋渡しの役目を果たせれば、と思いました」と企画者は語る。
「一つも“場違いな”写真はありません。どの写真にも居場所があります。写っているのは我々の曾祖父であり、祖父であり、両親や周りの人たちです。ですから、個々の肖像写真から、世代全体の集合写真ができて、私たちの祖国とそこに生きた人々について物語ってくれるのです」。
リュミエール兄弟写真センターの公式サイト:http://www.lumiere.ru/
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