日本車生産に意欲  

ウラジオストクで操業を開始したソラーズ社の自動車工場 =タス通信撮影

ウラジオストクで操業を開始したソラーズ社の自動車工場 =タス通信撮影

経済危機がピークに達した2009年。極東のウラジオストク市では、自動車輸入に対する関税を引き上げるというモスクワの決定に対し、抗議が殺到した。日本製中古車をロシアの欧州部まで運送し、高値販売で高額の利益を手にするという、極東における重要な収入源を守るために、地元住民は街路に繰り出した。

新たな関税が適用されることで、1年間に輸入される自動車台数は、 20 万台を遥かに超えていたレベルから、約6万台まで減少することが予想される。

治安維持のために何千人もの武装警察隊がモスクワから移送される中、プーチン大統領は解決策を提示した。極東で自動車を組み立てることで、日本や韓国のブランドの車を国内で生産し、関税の適用を回避するというものだ。

2009年の暮れまでには、タタールスタンから生産拠点をウラジオストクに移転したソラーズ社の自動車工場が操業を開始し、現在では双竜自動車(韓国)のSUVモデル5種を製造中だ。その半面、作家で日刊ノーバヤ・ガゼータ紙ウラジオストク特派員のワシリー・アフチェンコ氏は「政治的な決定だった」とみている。

操業開始から2年が経過した現在、ソラーズ社の経営陣はこのプロジェクトが成功を収めたと自負している。

数字あれこれ

6千万ドル
ガスパイプラインをさらに800メートル建設しなくてはならないが、工場のインフラ整備にすでに6千万ドルが費やされた。

27歳
ソラーズ社の自動車工場の従業員の平均年齢は27歳。

2012年5月「ソラーズ社は、独立した取締役会をが経営する民間企業です。政府が当社の成長戦略を決定することはありません」と、ソラーズ社極東部門専務のアレクサンドル・コルネイチュク氏は、工場 階に位置し、ウラジオストクの港を見渡せるぜいたくなオフィスで説明した。、ソラーズ社の極東部門は、非ディーゼルエンジンを初めて搭載した「アクティオン」の生産を開始した。アクティオンの生産だけでも、今年の出荷数は1万5千台を超えると予想されている。

一方、自動車全体の出荷数は、2011年の2万5千台に対し、3万5千台に達する見込みだ。

ソラーズ社は現在、マツダとトヨタのいくつかのモデルの組み立て工場をウラジオストクに開設すべく、交渉中だ(トヨタ・ランドクルーザー・プラドが今年後半に発売される可能性もある)。

「このプロジェクトの初期段階は、この地域で自動車組み立てが可能であることを海外のパートナーに説得するためのもの。我々はそれに成功した」と語るソラーズ社極東部門専務のアレクサンドル・コルネイチュク氏は「ひとたび日本車がウラジオストクで生産されれば、それは中古車市場に大きな衝撃を与えるだろう」と続けた。 

コルネイチュク氏は、「ロシア国内の需要が飽和状態になり、平均的なの率で成長するようになるまで、あと5年くらい猶予がある。標準的な国内市場の中でも名声の高いグローバルな自動車のブランドを構築できることは、レクサスが示してくれた。しかしその努力が今より遅れると、かなり大変になるだろう」と語っている。

=タス通信撮影

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