ウラジオストク近郊サーキット計画始動

今秋APEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議が開かれるウラジオストクで、国際サーキットの建設プロジェクト「プリムリング」計画が始動した。推進しているのは「SUMOTORI」社。相撲取りを連想させる社名の通り、主に日本車の販売を行ってきた会社だ。

テクノ・ディズニーランド目指して

建設予定地はウラジオストク中心地から車で約30分、国際空港から5分の78ヘクタールの広大な土地。
国際モーターショーやレースを行うためのサーキットには、レーサーの練習場など運転技術向上のための施設も備える。さらに、大型ショッピングセンター、ホテル、カントリークラブ、ディーラーセンター、スポーツカーのショールームなど、モータースポーツを中核とし、ウインタースポーツもできる総合エンターテインメント施設にする。ビタリー・ベレケンコ社長は「極東のテクニカルなディズニーランド」を目指すと言う。総事業費は約186億円を見込んでいる。

A. 国際自動車連盟(FIA)主要コース

B.オートレースのスタジアム

C.カートコー ス

D.モトクロスコー ス

E.ドラッグレースコース 

「グレード2」認定

2010年10月、国際自動車連盟(FIA)が国際サーキットの建設を提起、世界40ヶ所から企画が集まったが、SUMOTORI社の企画が選ばれた。同社はドイツやイギリスの専門会社と共同で企画を立案、昨年5月、F1以外のレースを開催可能な「グレード2」と認定された。
同時に、地元自治体の同意と政府からの低金利融資を受けて、格安価格で用地の49年間借地契約が実現した。すんなり政府の協力が得られたのは、市内の既存サーキットの移設が予定されていたため。このサーキットは地元ファンに人気だったが、騒音などの問題が起きていた。そこに「プリムリング」計画が舞い込み、「渡りに船」となった。今年1月着工済みで、2016年6月完成予定だ。

極東にブーム起きるか

「ロシア極東のスポーツカーブームは、日本の80年代のそれに似ている」と指摘するのはレーサーの中野信治氏だ。実際、観客席もない、未整備の場所で開かれるカーレースでも毎回観客でいっぱいになるほどのブームだ。
ウラジオストクは、日本、中国、韓国から近いうえ、今秋開催されるAPECサミットのためのインフラ増強計画でサーキット予定地へは年内に片側3車線の道路が建設されるので、ハバロフスク方面からも車でアクセスしやすくなる。本格的国際サーキット実現への期待は大きい。

テストドライブ

今年、大阪府出身の日本のレーシングドライバー 中野信治(41)がウラジオストクのプリムリングを訪問し、カート・コースをテストドライブした。また、地元大学で講演した。