プーチン大統領就任式前日の5月6日以降、警察当局による反政府デモの取り締まりが相次いだが、それに対する怒りがアクーニン氏に「散歩テスト」を発案させた。「反対」していそうな通行人や、不運にも、就任日にたまたまブリヴァル環路のカフェでコーヒーを飲んでいた人などが、何の根拠もなく拘束されていった。
アクーニン氏のブログには、この主旨に賛同して参加を表明した人の名簿があり、破滅後の世界を描いた人気小説「地下鉄2033」の著者であるドミトリー・グルホフスキー氏、反政府作家で番組「詩人と市民」の企画者であるドミトリー・ブィコフ氏、ソ連の人気戯曲「ポクロフスキー門」の著者であるレオニード・ゾリン氏、「チェブラーシカ」の作者で作家のエドゥアルド・ウスペンスキー氏、多くの文学賞を受賞しているリュドミラ・ウリツカヤ氏、詩人のレフ・ルビンシュテイン氏、人気音楽家のアレクセイ・コルトネフ氏やアンドレイ・マカレヴィッチ氏など、そうそうたる面々が名を連ねた。
ここまで大人数が散歩を希望することになるとは、誰も予想していなかっただろう。「散歩」参加者は一本の歩道に収まりきれず、他の道の車道にまではみ出した。参加者の計算によれば、1万人以上が散歩したが、モスクワ警察の公式な計算では、わずか2000人となっている。また、主催者側のデータなどに基づくマスコミの報道によれば、中年から熟年の「旧知識層」が主な参加者であったという。参加者はスローガンを叫んだり、プラカードを掲げたりしてはならないという「散歩」の規則を順守し、警察当局に反政治活動の嫌疑をかける隙を与えないようにした。
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