無策か確信犯か

ミハイル・デリャーギン氏

経済学者 

アレクセイ・クドリン元財務相と経済学者エフセイ・グルビッチ氏が「経済の諸問題」誌に、年金受給開始年齢を引き上げるべし、との論文を発表した。根拠は、平均寿命が延びているのに(実は公式統計には異論がある)、勤労世代人口が減っていること。増税も予算の支出増も「財政の破綻」を招き、年金の減額も年金生活者の賛成を得られないので、これが「最小の悪」だという理屈だが、彼らは自分自身のやっていることがよく分かっていないようだ。

「国民福祉基金」には現在2兆ルーブル以上も貯まっているが、この基金は元々、「年金基金」の穴を埋めるのが目的で創設されたものだった。ところが、いざ穴埋めの時が来るや、基金のことはきれいさっぱり忘れて、企業に対して増税(統一社会税)し、今度は年金開始年齢を引き上げると言う。

簡単な解決方法をお教えしよう。
・年金、保険関連など予算外の基金はとくに金の流れが不透明で、悪用がひどい。きちんとコントロールすること。
・保険料(雇用者が払う)は、高率すぎて(給与の 
30 %)、あまり集められない。一律 15 %で十分だ。概して、税金は、コントロールし易い金持ちから多く取るべきだ。
・積立年金システムはもう機能していない。積立金の投資先を替えること。

現在、積立金は、金融市場という「ロシアン・ルーレット」に投資されているが、ロシアにも、長いスパンで高い収益が見込めるプロジェクトはある。例えば、公益事業だ。人々はいつだって上下水道には金を払うのだから。