=ウラジミル・ペスニャ/ロシア通信撮影
=ヴェラ・カラタエワ撮影
4月21日土曜日、若者で構成される社会活動グループ「建築物監督(アルフナゾル)」が、「国際記念建造物デー」を祝った。創立からわずか3年弱のこの組織は民間非営利団体で、記念建造物の探索や保存、街の歴史遺産のアピールなどを行っている。「国際記念建造物デー」が祝われるのは既に2回目で、この運動にはモスクワ市も参加している。
彼らはポヴァルスク通りを対話型博物館に変え、息吹を与えた。建物と「対話」できるようにしたのだ。ポヴァルスク通りにある建物は、すべてが歴史的建築物と言っても過言ではない。それぞれの建物に写真や概略的な説明のある可動式スタンドが設置され、横には「建築物監督」のメンバーが、建築様式や歴史に関する質問に答えるべく待機した。流れはこうだ。この通りの歩行者が、写真を見て、説明文を読む。待機していた案内人は歩行者の反応を見て、建物について補足説明をする。説明が始まった数分後には、10~15名の聴衆の人だかりができる。案内人を務めたのは、この組織の調整役や活動家で、前世紀の建築を愛する若者が多い。
12時から16時までの間、太陽に照らされて活気を帯びた通りでは、20~30メートルごとに案内の声が響いた。現在キプロス共和国大使館となっている1813年建築の9号棟わきには、案内人のブロンドの女性が立ち、マリーナ・ツヴェターエワ、オシップ・マンデリシュターム、ウラジーミル・マヤコフスキーなどの作家がこの建物を訪れたことなどについて、説明した。大人数の団体見学もあり、そちらは1時間おきに実施された。団体見学は事前応募をつのったが、案内人と会話をした後で合流する人もいた。案内人は全員ボランティアで、純粋な熱意からこの活動に参加している。
この記念日の目的は、身の回りにある良い物を人々に見抜いてもらい、それを愛し、保存してもらうことだ。ロシアでは現在、毎年約200棟もの記念建造物が消えている。ソ連崩壊から現在にいたるまでの期間、モスクワでは5年に1000棟の割合で、歴史的建築物が取り壊されている。この事実をふまえると、記念建造物の保存や保護の過程は、戦域を彷彿とさせる。情報戦争から、人やブルドーザーとの直接的な衝突まで、すべての要素がそろっているのだ。
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