「読書の夜」運動

第一回「読書の夜(ビブリオノーチ)」運動がロシア全土で開催された。 =コメルサント通信撮影 

第一回「読書の夜(ビブリオノーチ)」運動がロシア全土で開催された。 =コメルサント通信撮影 

第一回「読書の夜(ビブリオノーチ)」運動がロシア全土で開催された。90に及ぶロシアの都市が同運動に参加。同企画内では、ロシア各地の300以上の会場で、マスタークラスや作家との交流会などが設けられた。

 「眠れぬ都市」モスクワが、新しいタイプの「眠れぬ夜」を市民に呼びかけた。それは文化的な「眠れぬ夜」である。深夜まで文化的な時間を過ごそうという声は、ウェブ上から始まった。インターネットのユーザーたちが2011年の夏、図書館や文化施設を夜明けまで解放して、「読書の夜」フェスティバルを企画するよう提案したのだ。そして、それが実現する運びとなった。

 2012年4月20日から21日にかけての夜間、モスクワ市民は「読書の夜(ビブリオノーチ)」運動の一環として企画されたマスタークラスや作家との交流会、本の朗読会、主要図書館のガイドツアーなどに参加し、夜を明かした。 

 この企画は、北はサンクトペテルブルクから南はトゥーラまで、西はロストフ・ナ・ドヌから東はヴォルゴグラードに至るまで、ロシア中の90の都市で同時に開催された。 今後はさらに広範の地域で開催されるようになるだろう。300以上のロシアの図書館がこの運動に名を連ねた。モスクワだけでもその数は約30カ所にのぼる。

 「この行事の目的は、図書館も活気に満ちた場所であるということを証明することです」と、モスクワのツルゲーネフ図書館に勤務するアレクサンドラ・ヴァフルーシェヴァさんはロシア通信に語った。同図書館は、ギャラリーや展示を夜間に一般公開するという同運動のパイオニア的存在のひとつだ。

   「私たちは、図書館のことを埃っぽくて退屈な、忘れ去られた空間というふうに連想してほしくないのです」とヴァフルーシェヴァさんは付け加えた。「特に地方では、図書館は人々がお互いに顔を合わせることができる、重要な場所なのです。それは、政治家や知識人が社会の人々に接することができる場所が、まさに図書館であるからです」。

 モスクワでは、ツルゲーネフ図書館などの文化施設が午後7時から明け方まで解放され、作家のダニール・コレツキー、ヴィクトリア・プラトワ、ナターリア・バソフスカヤなどとの交流の場が設けられた。館内の照明は、ネクラーソフ図書館、トルストイ図書館、ロシア国立歴史図書館、その他多数の図書館で消灯されず、その中で所蔵書を巡るツアーや朗読会が催され、何百人ものロシア人が「眠れない夜」を過ごした。

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