大物実業家は24人

テレビ司会者のティナ・カンデラーキやクセーニア・ソプチャクは、伝統的な意味でのビジネス・ウーマンとはいえないが、ロシア社会における彼女たちの影響力は絶大だ。

テレビ司会者のティナ・カンデラーキやクセーニア・ソプチャクは、伝統的な意味でのビジネス・ウーマンとはいえないが、ロシア社会における彼女たちの影響力は絶大だ。

ラジオ局「エコー・モスクワ」(モスクワのこだま)など主要マスコミ数社が、視聴者の投票で作成した番付「ロシアの有力女性トップ100人」には、 タレントや有名人に混じって女性実業家24人が名を連ねた。

「24人は氷山の一角に過ぎません。その陰で多くの女性が重要な役割を演じています。大企業の主任弁護士、主任会計士、財務責任者の半数は女性です」と指摘するのは番付67位のエラ・パンフィーロワさん(58)。元社会政策大臣で、現在は非政府組織「トランスペアレンシー・インターナショナル」のロシア支部長だ。

才能と努力で
有力な夫の手助けで地位を築いた典型例と見られているのが、不動産王エレーナ・バトゥーリナさん(49)。前モスクワ市長ユーリー・ルシコフ氏の妻で、米フォーブス誌の長者番付で世界第3位を占めている。
しかし、大半は、才能と地道な努力で今日の地位を築き上げてきた女性たちだ。例えば、同誌の番付で、ロシアで2番目に裕福な女性とされるナタリア・カスペルスカヤさん(46)は、プログラマーの夫とコンピューター・セキュリティー会社「カスペルスキー・ラボ」を起業・経営している。
また、国立銀行ズベルバンク副総裁、ベーラ・ズラトキスさんは、モスクワ銀行間通貨取引所の創設者の一人であり、1998年のロシア財政危機の際には、債務再編の交渉責任者を務めた。

女性社長は6%
このように、女性実業家たちは多大な業績を挙げているのに、トップの役職につくことは少ないのが実態である。主任会計士の91%が女性である反面、女性社長はわずか6%に過ぎない。
「ロシア女性は一般に目立ちたがらないことも一因でしょう」とパンフィーロワさんは言う。「多くの女性は妻や母でもあり、男性が自分を売り込んでいる間、彼女らは家でご飯を作っているのです」。
しかし、アルファ銀行のマクロ経済学者ナタリア・オルロワさんは、ロシアのビジネスの体質にも原因があると指摘する。「市場経済が始まってから20年しか経っていません。法的な保護の下で富を築ける状況にはまだないのです」。
ロシア実業界が体質改善を果たしたとき、初めて多くの女性が堂々と企業の顔になるのだろう。