「МММ-2011」

1990年代にセルゲイ・マヴロージ氏は、多くの預金者を破産させた金融ピラミッド「MMM」を創設した。=ロシア通信撮影

1990年代にセルゲイ・マヴロージ氏は、多くの預金者を破産させた金融ピラミッド「MMM」を創設した。=ロシア通信撮影

セルゲイ・マヴロージ氏のプロジェクト「 МММ-2011」 が勢いを増している。しかもネット上ばかりでなく、旧ソ連全域で続々とオフィスが開設されているのだ。インターネットによって生まれたピラミッド商法(ネズミ講)がどれほど危険かは、今のところ見当もつかない。

2012年.信じがたいことに「MMM」が再びオフィスを次々に構えている。セルゲイ・マヴロージ氏の新たなピラミッドには、2011年1月のスタート時点から既に、ロシア人、外国人合わせて1500万人が投資をしている。

注釈

1990年代にセルゲイ・マヴロージ氏は、多くの預金者を破産させた金融ピラミッド「MMM」を創設した。2003年から2007年まで、同企業家は旅券偽造と詐欺の罪で服役していた。

3月14日、セルゲイ・マヴロージ氏は、1000ルーブル(約2840円)の罰金不払いの廉で拘留5日間を宣告された。当局筋の話では、裁判所には「マヴロージ氏に対してはさらに10件の同様の事案」があるという。

特別任務民警支隊(OMON)が「MMM」のヘッドオフィスに突入した1994年8月、現在「МММ-2011」の情報コンサルティングセンター長であるアンドレイ・キム氏は、20万ドルを失った。同氏は、新たなピラミッドのおかげでそれと同じ額を稼いだかについては触れないものの、マヴロージ氏がその20万ドルを返済するときを待っていると語る。一年ほど前、「MMM」の創設者は、すべてのロシアの金融ピラミッドの犠牲者の損害を賠償すると約束した。

アンドレイ・キム氏は、2011年2月に「MMM-2011」に加入した。システムの参加者は、千人、百人、十人という単位に分けられ、それぞれに、千人隊長、百人隊長、十人隊長がいる。キム氏は、昨年11月から「10万人隊長」を務めており、およそ1億ルーブル(2億8千4百万円ほど)を管理している。

当局は、あたかもマヴロージ氏の新たなプロジェクトに気づいていないかのようだが、同氏のサイトには既に、プロジェクトの優秀な参加者にはBMWの新型X6の権利書を授与する、との映像がさかんに流れている。

この一年間で「MMM-2011」のルールはほとんど変わっていない。基本的な収益率は月20%、つまり年800%(複利で)ほどだ。同システムにはほかに収益率が月75%近い預金プログラムもある。システムに加入するには、sergey-mavrodi.comで登録を済ませ、誰かが連絡してくるのを待つか自ら十人隊長を見つけるかする。活発な人は自分でサイトを運営している。十人隊長はその細胞の銀行口座に金を振り込ませる。新たな参加者を加入させると、初回の振り込みでは20%、その次からは10%の奨励金がもらえる。細胞のキャップの仕事に対しても報酬があり、十人隊長にはその細胞へのあらゆる入金の5%、百人隊長には3%、千人隊長には1%が支払われる。

一年前、連邦反独占局は、「MMM-2011」を金融ピラミッドとみなす審査委員会の結論を内務省に示した。これに先立つ会議には、国家会議(議会下院)議員や経済発展省、財務省、連邦金融市場局の代表が参加した。

しかし、このテーマは次第にマスコミの視界から消え、「MMM-2011」は発展を続けた。同ピラミッドの新しい看板が現れ、公共交通機関に広告が貼られている。マヴロージ氏は、定期的なビデオメッセージで市民を文字通り催眠術にかけている。同氏の最も活動的な追随者である細胞のキャップは、新たな参加者を募るためにオフィスを開設している。マヴロージ氏の信奉者たちは、昨年末に流行しはじめた政治集会で同氏の訓えを宣伝している。「みなさん、「MMM-2011」にご加入ください。一年後には百万長者になり、現政権と同じことが何でもできるのです!」。

コンスタンチン・グーリエフ氏は、スタート当初からこのシステムに参加している。3年前、同氏はセヴァストーポリにオフィスを構えた。「最初に3万グリブナ(約31万円強)を投資しました。一月後には正月のボーナスを含めて、4万5千グリブナ(約47万円弱)稼ぎました。自分の以前の会社の給料に相当する1万5千グリブナ(15万5千円ほど)を遊んで儲けたようなものです。今、私のところには、20万グリブナ(207万円強)投資して、月に10万グリブナ(104万円弱)稼いでいる加入者たちがいます」。グーリエフ氏によれば、それはセヴァストーポリで4つ目のオフィスで、マヴロージ氏のサイトによれば、ウクライナ全体でおよそ50のオフィスがある。カザフスタン、キルギスタン、リトアニア、ベラルーシにもオフィスがあちこちに開設されており、アテネ(レオフォロス・アレクサンドラス通り7番地)でもオフィスが営業している。

なぜ当局は黙っているのだろうか。ピラミッドはまだ崩壊しておらず、どれくらいの人が加入しているのは誰にも分からない、というわけだ。「MMM-2011」にはオフラインのオフィスがますます増えており、それらはインターネット・ユーザーでない人たちをも巻き込んでいる。