ロシアは農地レンタルを提案

=ロイター/ボストーク撮影

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ロシアは、APEC(アジア太平洋経済協力会議)のメンバーである日本、ベトナム、シンガポール、タイの4カ国に対して、極東地域の農業発展に関する約20の投資プロジェクトを提案する。 

いくつかのプロジェクトでは、15~20万ヘクタールの土地が開発用に提供される。 アンドレイ・スレプニョフ経済発展省次官は「地域ごとに作成された一連の投資プロジェクトを既に各国に提示済みだ。ロシア国内で農産物を生産・加工し、自国に輸出するよう提案している」と語った。

同次官は、投資は数百億ドルで、長期的なものになると述べ、ロシアでは長期的な土地レンタルが法的に許可されている点を指摘した。

対象となる地域は、大豆、米その他の穀物の生産条件をそなえているアムール州、ハバロフスク地方、沿海地方が考えられている。

同次官は「これらの土地は価値の点でいくつかの化石燃料産地にも匹敵する資源であり、そこから収入を得て他のプロジェクトの基盤を創り出すために利用しなくてはならない」と述べた。

世界経済国際関係研究所アジア太平洋研究センターのエブゲニー・カナーエフ主任研究員は「東シベリアと極東では農地の50%近くが利用されていない」と指摘する。

2007~2008年の食糧危機をきっかけにロシア全土でランドラッシュ(農地獲得競争)が展開されており、すでに中国、韓国、欧州諸国が農地を取得し農場を経営している。

ラッシュの導火線となったのは、第一に、2002年の土地法改正で、事実上外国人でも農地を買えるようになっていたことだ。

第二に、最近ロシア政府が、農地をアジア人にレンタルして、自国の農業振興を図る方針を打ち出したことだ。

レンタル料も激安で、中国が4年前にアムール州などで計5千ヘクタールを借りた際は、1ヘクタール=10ドル=約770円(2012年2月現在)であった。

ランドラッシュ加速か

今回の国家レベルでの提案は、ラッシュをさらに加速させるだろう。

カナーエフ氏によると、アジア太平洋地域諸国では人口が爆発的に増加しているが、新しい農地や灌漑用水資源は限られており、ここ10年間の年間収穫率上昇の割合は、小麦と米が1%、トウモロコシが2%。

一方、食肉消費量の増大に伴う畜産飼料の増産が、また自動車工業発展のためのバイオ燃料用農産物の増産が必要と、農地の需要は高まるばかりだ。

食糧の安全保障は、9月のウラジオストクAPECの優先的テーマの一つとなる。ロシアは議長国の任期中に、食糧市場の調整、農産物への投機抑制などの方策を協議する意向だ。