スコルコボ基金内に

スコルコボ基金での研究、開発風景 =ロシア通信撮影

スコルコボ基金での研究、開発風景 =ロシア通信撮影

「スコルコボ」基金とは、2010年6月にスタートした「ロシア版シリコンバレー」建設計画。モスクワ郊外スコルコボに技術イノベーション・センターを作り、国内産業の技術開発強化とベンチャー企業育成を進める。

「スコルコボ」基金とは、2010年6月にスタートした「ロシア版シリコンバレー」建設計画。モスクワ郊外スコルコボに技術イノベーション・センターを作り、国内産業の技術開発強化とベンチャー企業育成を進める。

同基金は、外国企業が最先端の開発を行える一連のセンターをスコルコボ内に創設するとの課題を掲げた。

スコルコボの主要5分野

スコルコボ施設の位置

スコルコボ基金で優先されることになった5分野は、科学のみならず地政学の観点から選ばれた。これらはすべて、アメリカの「お家芸」だが、そのかなりの部分は、元ロシア人、現アメリカ市民のおかげで豊かな実を結んでいる。しかも、これらの分野は経済的に極めて有望だ。スコルコボ基金のスティーブン・ガイガー氏は「5分野には、向こう数十年間、市場の需要が集中するものと私たちは見ている」と述べた。

これを受けて、多くの外国企業はすでに基金内に自社の研究センターを開設したい意向を表明している。大抵は今のところ趣意書が交わされたにすぎないが、具体的な協定もある。

例えば、シーメンス社。調印された文書によれば、2015年までに基金内で150人の従業員が活動する予定だ。共同投資の総額はおよそ6千万ユーロ(約 
60 億円)で、うち約4千万ユーロはシーメンス社によって、2千万ユーロは同基金の助成金でまかなわれる。

シーメンス社のスコルコボ・プロジェクトの責任者アレクサンドル・アベリヤノフ氏はこう強調する。「私たちにとってスコルコボは、ロシアの未来を変えうるテスト・プロジェクトとして興味深いのです。科学面での協力は、例えば、核医学などありとあらゆる分野に及びます」。

ノキア社の場合は、日常生活に役立つストリーミング装置(ダウンロードしながら再生する)の開発に重点が置かれている。同社のタチヤナ・オベレモワ氏は「私たちが開設するセンターへの投資額は数千万ユーロ(数十億円)単位で、これはノキアの研究センターにとっては普通の予算です」という。

エリクソン社は、情報通信技術の研究の場としてスコルコボが好適だと考えているが、最初に研究、開発の対象に選ばれたのは「知的電力供給網」だ。その主な課題は省エネ。最終ユーザーのもとに設置されるスマートメーターは、常に販売会社へ情報を発信し、それらの会社(およびユーザー自身)が電力消費の状況をより厳格に管理することを可能にする。

「国内の投資家はいうまでもなく大部分のロシア国民は、最初のプロジェクトが実現されないうちは、スコルコボを科学機関ではなく、イメージ作りをはかる政治機関とみなしています。一連の研究開発センターが生まれれば、見方も変わるはずです」とRBC(ロスビジネスコンサルティング)社の金融アナリスト、チモフェイ・シャツキフ氏は述べている。