ヘッドハンティング

理系人材の流出盛ん=AP Photo撮影

理系人材の流出盛ん=AP Photo撮影

20年前、「科学王国」ソ連が崩壊したとき、西側は優秀な科学者とその研究成果を求めて血眼となった。15年前にロシアでは、ヘッドハンティングの注文が、自然科学に関するものだけで年間150~200件に上っていた. 現在の状況はどうだろうか。

研究および研究者自身の「売買」を仲介するサービスは、西側では一大市場を形成しており、米国の総合情報サービス会社ブルームバーグ社によれば、米国の市場規模は昨年50万ドルを超えた。

このような、発注者が望む技術の開発者や専門家を探す一括業務は、ロシアでは主に二通りの形で行われている。

まず外国企業が仲介業務を行うもの。モスクワ、サンクトペテルブルク、ノボシビルスクでは、主だった米国の仲介業者る)に加え、欧州の業者も活動している。

米グリフィン社の東欧担当マネージャー、ジョン・ネイパー氏は「企業から注文を受けている米国の工科大学が顧客になるケースが多い。筆頭はマサチューセッツ工科大学で、私たちは年間契約額が平均10~12万ドルの注文を年6~10件こなしています。特にバウマン工科大学やモスクワ大学の自然科学系学部の出身者に対する需要が大きい」と語る。

もう一つは、ロシア企業が西側と提携して、新卒のロシア人研究者を探すケースで、建設業界に多い。モストビク社のイリヤ・ルジャンスキー副社長はこう言う。

「弊社やモストオトリャード社は、独自の建設技術を持ち、欧州や北米に大プロジェクトがある。何キロもの長い橋を設計できるモスクワ建築大学の出身者は20万ドルの年間契約を期待でき、西側企業で定職につけるのです」。

建設業界のほか製薬や化学の企業が同様の仲介業を行っている。