四等旭日小綬章の受章者となったアレクサンドル・ソクーロフ氏=ロシア通信撮影
「私は長年に渡って、日本と共に生活してきた、と言っても過言ではありません。日本が私たちの唯一の支持者だった時代があったほどです」受章の際、ソクーロフ氏はこのように述べた。
日本を舞台とした彼の映画で、ロシアで知られているものは、一作だけである。2004年に公開された「太陽」という映画で、昭和天皇を中心に描いた作品だ。もっとも、実際には1990年代にはすでに、「日本史」という連作を撮影していた。「オリエンタル・エレジー」(1996年)、「穏やかな生活」(1997年)、「ドルチェ」(1999年)などのドキュメンタリー数作を組み合わせた作品である。
叙勲式でソクーロフ氏は、「夢のような」感覚を覚えると述べ、ロシア政府に対して「日本国民の美しい土地を返還する」よう要望した。ロシア側からは、サンクト・ペテルブルグ州のワシリー・キチェジ副知事と、指揮者のユーリー・テミルカーノフ氏が同氏を祝福した。キジェチ副知事はソクーロフ氏について、「尊敬を受ける人」であると述べつつも、次のように続けた。「ソクーロフ氏と関わることは、必ずしも簡単なことではありません。市民としての明確な立場を確立していて、多くの問題に対して自分の意見を持っている人だからです」。
ソクーロフ氏以外に、これまで約40名のロシア人が旭日章を受賞している。その中には、小説家のボリス・アクーニン氏、指揮者のワレリー・ゲルギエフ氏、バレリーナのマイヤ・プリセツカヤ氏、モスクワ大学学長のビクトル・サドウニチー氏らが名を連ねている。
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