投票結果は一同を驚かした= ニヤーズ・カリム
心理的観点から見れば、今回の出来事はロシア国内政治の重要な転換点になった。どうやら、2003年以来続いてきた、「統一ロシア」による下院支配の時代が、終わりに近づきつつあるようだ。社会学者らは「統一ロシア」の得票率の低下を予告していたが、誰ひとり48%という低い数字を挙げた者はいない。伝統的に野党とつながりの深かったレバダ・センターでさえ、投票日の一週間前の予想は53%だった。権力に忠実と見なされている全ロシア世論調査センターも、同じ数字を挙げていた。
このことは、ロシアの有権者がさらに人びとを驚かす可能性があることを意味している。投票での不正は、騒ぎになったものもあるが、多大な件数ではないはずだ。というのも、出口調査結果が中央選挙委員会の発表結果と大差なかったのだ。「私は、当局が「統一ロシア」の投票結果を、社会学者らが示した数字を大きく越えるものに修正することはないと思う。それは国家への信頼を崩すことになるからだ」と、レバダ・センター副所長のアレクセイ・グラジダンキン氏は述べた。
中間結果によると、議会ではどの党も絶対安定多数には達しない見込みだ。だが、すべての政党が連立に応じる姿勢を示している。
「統一ロシア」の人気の低下をどう説明できるだろうか。まず、経済的原因が明白だ。ちょうど2008年の危機の前にあたる2007年は、経済面から見て、非常に好調な年だった。だが、ソ連時代の社会保障の最終的消滅と思われた保健、教育分野の改革は、国民を失望させた。メドベージェフ大統領の任期は、ソ連社会制度の残滓を一掃する上で決定的な時期になったと、エコノミストらは考える。
外交は今回の選挙で重要な役割を果たさなかった。人びとの心をより大きく動かすのは、国際舞台での国の偉大さよりも、自分自身の所得や軍の改革なのだ。
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。