『 Vivan Las Antipodas! ( 地球の裏側で!)』=kinopoisk.ru撮影
ベネチア映画祭2011のオープニングでロシア映画が上映される!ほとんど空前の快挙だ。ビクトル・コサコフスキー監督(50)が製作するのは、いわゆるクリエイティブ・ドキュメンタリー映画。
最新作『地球の裏側で!』は、アルゼンチン、上海、ロシア・イルクーツク州など地球の8地点で撮影された。監督は言う。「アイディアは素朴なもので、『僕たちの足の下で逆立ちしているのはだーれ?』という子供のなぞなぞにヒントを得たんです」。
ある日、監督がアルゼンチンをレンタカーで旅行していたときのこと。山村の渓谷で、ふと監督は、釣り人たちを眺めつつ、釣り糸をずーっと長く伸ばして、地球の反対側に届かせたら何があるかな、と思った。
調べてみると、そこは大都市上海だ。同市にはたまたま監督の息子が留学中だったので、釣り糸が「突き抜けた」とおぼしき地点に行ってもらうと、一人の女性が魚を売っていた。釣り針は魚に届いたのだ。
果たしてこれは偶然だろうか、と監督は考える。この作品は、監督が映画を通じて見極めようとした地球の見えざる結び目である。