欧州危機背景にアジア重視

ロシア貯蓄銀行のゲルマン・グレフ総裁=rsbf.org.sg撮影

ロシア貯蓄銀行のゲルマン・グレフ総裁=rsbf.org.sg撮影

ロシア・シンガポール・ビジネスフォーラムが9月 25 ~ 28 日、シンガポールで開催された。6回目を迎えた同フォーラムでは、これまでになく真剣にアジア進出を模索するロシアの姿が目立った。 欧州のユーロ圏の崩壊・証券市場の凋落の可能性が現実味を帯びてくるなか、今後の世界経済においてロシアはどうあるべきか?

欧米先進諸国の景気回復の鍵になる需要は一向に回復しない。ロシアの資産運用会社「トロイカ・ダイアログ」の資産運用マネージャー、アントン・ラフマーノフ氏はイタルタス通信に、「ロシアとアジア諸国を大統合し、貿易高をできるだけ増やすのが当然だ」と述べた。

そのうえで同氏は「アジアは成長のテンポを維持するためには、エネルギー資源が切実に必要だ。ロシアはそれを供給する用意がある」と強調した。

実際、ロシアはエネルギーに力を入れるべきだと外国の企業家たちはフォーラムで述べていた。

ロシアは、新しい現代的な製油所の建設、代替エネルギーの開発、インフラの刷新に力を注ぐべきだろう。

ロシアは来年のAPECサミット・ウラジオストク開催を控えて、多面的な長期的経済プロジェクトを次々に打ち出している。極東開発、インフラ大整備、対中国・韓国ガス輸出プロジェクト、南北朝鮮縦断鉄道修復とシベリア鉄道への連結などだ。これと併せて、北朝鮮、中国との関係を緊密化し、政治的影響力拡大をもくろむ。



アジア諸国、対露投資にまだ消極的

残念ながら、今のところアジア諸国にはまだ積極的にロシアへ投資する用意がないようだ。

台湾の義美食品有限公司の幹部であるヘンリー・カオ氏はこう言う。「うちの商品は欧州のものと比べても、品質に遜色がなく、しかも安いので、ロシアの食品市場に進出したいのだが、どのようにすればよいか分からない」。

シンガポールの企業家たちの話によれば、彼らには同胞のいる中国やインドのほうが分かりやすいのだ。

だが、ロシアのほうは、近年アジア重視をはっきり打ち出している。

北朝鮮経由で韓国に天然ガスを供給するプロジェクトは、実現へ向けて大きく動き出した。全長1100キロメートルのパイプラインの大部分を北朝鮮内に敷設し、年間の輸送量は100億立方メートルとなる。

読売新聞の報道では、11月初めにもロシアと韓国の首脳会談がサンクトペテルブルクで行われ、露・朝・韓の三国が足並みをそろえて建設を推進していく見通しが立ちつつある。