揺らぐ宇宙大国

国際宇宙ステーションでの宇宙遊泳 =米国航空宇宙局(NASA)撮影

国際宇宙ステーションでの宇宙遊泳 =米国航空宇宙局(NASA)撮影

宇宙大国ロシアで最近失敗が頻発している。8月24日の運搬ロケット「ソユーズU」の打ち上げ失敗はISS(国際宇宙ステーション)関係者を震撼させた。問題は構造的で、解決には時間がかかりそうだ。
 国際宇宙開発の分野で今年は、過去数十年で最大の曲がり角になるおそれがある。アメリカ航空宇宙局(NASA)のスペースシャトル計画終了にともない、有人宇宙飛行はロシアの独り舞台となるはずだったが、8月24日、貨物船「プログレス」を運搬するロケット「ソユーズU」の打ち上げに失敗するなど、最近事故が多発している。

 7月21日、NASAは、スペースシャトル計画は経済的に割に合わないとして終了を宣言し、宇宙ステーションへ貨物と飛行士を運ぶ任務を完全にロシアに委ねた。これに先立って3月、NASAは、2014年から2015年にかけての2年間、ISSへの飛行に宇宙船「ソユーズ」を使用するため、その権利に関する7億5千3百万ドルの契約をロシア連邦宇宙局(ロスコスモス)と結んだ。

 しかし、「ソユーズU」の事故は、ロシアのロケット部門のイメージを大きく傷つけた。希望を抱かせるものといえば、10月3日の衛星測位システム「グロナスM」の打ち上げ成功くらいだ。

 9月16日にISSでは搭乗員の交代が始まり、3人の宇宙飛行士が地球に無事帰還した。けれども、いつ代わりの飛行士がISSに行けるかは誰にもわからない。10月14日には貨物を運ぶ宇宙船が、10月28日には有人宇宙船「ソユーズ」がISSへ向かうことになっていたが、インタファクス通信によれば、打ち上げはすでに11月1日と14日にそれぞれ延期された。

問題は構造的

 専門家たちは、8月の「ソユーズU」の打ち上げ失敗は単なる偶然ではないと見ている。ロシアは、この1年間で6つの宇宙船や人工衛星を失っており、「技術的理由」により一連の打ち上げが延期された。これは、多くの場合、打ち上げ準備の最終段階に設備や機械が故障したことを意味する。
 「これは紛れもなく危機です。私たちはソ連時代のストックを食い潰してきたのです。今ある運搬用ロケットはもっぱら改良されてきただけで、新しい開発はなされませんでした」。「コメルサント・ジェーニギ」誌は、宇宙開発関係者のこんな談話を引用している。
ラジオ局「ロシアの声」の評論家アンドレイ・キスリャコフ氏は、これとは逆に、機械の図面が古いか新しいかという問題ではないと言う。「『ソユーズU』 はすでに700回打ち上げられてきました。100回連続打ち上げ成功という記録を持つのはまさにこのロケットなのです」。「プログレス」に関してはもっと驚くべき数字があり、このタイプの宇宙船は1978年以来無事故を記録してきた。
 退役陸軍少将のウラジーミル・ドボルキン氏は、問題は数多くあるとしたうえで、第一にインフラと生産設備の老朽化、優秀な若手専門家の欠如を挙げている。宇宙開発部門の職員の平均年齢は50歳だ。

 状況打開の道はあるが、それには金と時間とシステムが必要である。