藤原潤子著 『呪われたナターシャ』

藤原潤子著 『呪われたナターシャ』

藤原潤子著 『呪われたナターシャ』

 ソ連崩壊前後の混乱期、あのオウム真理教がロシアに進出し、つよい影響力を持ったことがある。結局、混乱は収束し、共産主義が失われたのちぽっかり空いた精神的空白は、表向きロシア正教で埋められることになったが、もう一皮むくと呪術の復活という現象につきあたる。たとえば、呪文を念じ犬の毛と猫の毛を握って夫と妻の間を通ると、その夫婦は必ず犬と猫のように仲たがいする。神を信じる一方、呪術に依存する。それが現代ロシアの心性だ。本書の著者はロシア北部カレリア地方をフィールドとする若い文化人類学者。呪術のリアリティにビリビリと共振しながら、興味津々のエピソードを織りこみ現代ロシアの心性に迫る。ディープにロシアを知りたい人にお勧め


このウェブサイトはクッキーを使用している。詳細は こちらを クリックしてください。

クッキーを受け入れる