シベリア大学での研究を決意

(AP)

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生物発光研究の第一人者で2008年のノーベル化学賞受賞者、下村脩(おさむ)・米ボストン大名誉教授(83)がロシアの招きに応じ、シベリアの大学で研究活動に従事することになった。高齢をおしてのシベリア行きを決意した経緯や新天地に向かう抱負などを聞いた。下村博士との一問一答は以下のとおり。
― なぜロシアでの研究に関心を持たれたのですか?

「生物発光(バイオルミネセンス)現象の応用に関する研究は、世界の多くの国でさかんに行われているものの、この現象の化学的基礎研究は、ロシアを除くあらゆる所でほぼ打ち切られました。

ロシアの学者たちは、この分野の研究に多大の貢献をしてきました。最近は、シベリアの発光するぜん虫の優れた研究を行っています」

―現代のロシア科学の水準をどう評価しますか?

「近年、生物発光の化学に関して本格的で注目に値する学術論文を発表したのは、もっぱらロシアの学者たちで、今日、この分野で世界をリードしていると思います」

―シベリア連邦大学(シベリア中部・クラスノヤルスク市)を選ばれた理由は?

「私の旧友でロシア科学アカデミー会員のヨシフ・ギチェリゾン氏がこの大学に招いてくれました。私は、素晴らしいロシアの学者たちと一緒に仕事する絶好の機会を逃さないことにしたのです」

―助成が受けられた場合、あなたの研究テーマは?

「私たちはキノコの生物発光の研究に従事します。そのメカニズムの解明は大きな科学的発見となり、何らかの形で人類に役立つことと思います」