「壮麗!地下宮殿」旅人必見

昨年4月24日、真谷子ふす加屋駅の修復を祝い、グネーシン音楽大学の学生が記念コンサートを行った=RUSSOS撮影

昨年4月24日、真谷子ふす加屋駅の修復を祝い、グネーシン音楽大学の学生が記念コンサートを行った=RUSSOS撮影

モスクワ地下鉄は、ソ連時代から現代までのロシア建築のユニークな地下博物館でもある。入場料は1ドル以下、つまり、乗車券は、距離に関係なく28ルーブル。

モスクワ地下鉄は、1902年に最初の計画が立てられたものの、実際に着工したのは1931年で、1935年5月 15 日には開業にこぎつけた。ソコーリニキ駅からソビエト宮殿駅(現在のクロポトキンスカヤ駅)までの最初の路線は、長さが 11 キロメートル、駅数は 13 だったが、現在のモスクワ地下鉄は、総延長300キロメートル以上、路線数は 12 、駅数は182。2020年までの市の発展計画によればさらに120キロメートル延びる。

初期の地下鉄駅は、宮殿さながらの壮麗さで見る者を圧倒するが、設計主任のニコライ・シュマコフさんはこう言う。「ロシアの建築は、地上でも地下でもまったく同じように発展してきました。地下で起きたことはぜんぶ地上の反映です」。

1950年代半ばまでの豪華絢爛な地下鉄駅は、「偉大な国家のための偉大な建築」で、若きソビエト国家礼賛の一手段だった、と芸術学者たちは確信している。その意味で、1937年から1955年までに建設された駅はすべて注目に値する。たとえば、マヤコフスカヤ駅やノボクズネツカヤ駅の天井には美術家アレクサンドル・デイネーカの下絵によるモザイクの壁画があり、革命広場駅では 
76 体の労働者や兵士などのブロンズ像がある。ちなみに、その中から犬を連れた国境警備兵を見つけて、犬の鼻を撫でると縁起がいいとか。

建築の古き良き時代は1955年に終わった。「建築の代わりにキロメートルを」というスローガンのもとに画一的で味気ない駅が造られはじめたのだ。

地下鉄建設のルネッサンスとも言うべき新時代は、2002年の雀が丘駅の改修から始まった。この駅のプラットフォームからは、モスクワ河への素晴らしい眺望が開けている。駅の装飾には再び美術家たちが携わるようになった。例えば、スレチェンスキー・ブリバール駅には詩人プーシキンと作家ゴーゴリのシルエットが登場し、ドストエフスキー駅にはドストエフスキーの長編小説の主人公たちが描かれた白黒の壁画が現れた。

シュマコフさんによると、「向こう 
10 年間に造る駅はできるだけ『裸にする』予定です。地下鉄がどういう材料でどんな構造でできているか、皆さんに最大限お見せしたいと思います。鋳鉄、コンクリートなどが形作る構造物は実はとても美しいんですよ」。