『東京発』=kinopoisk.ru撮影
がら空きの飛行機にくたびれた様子のいかめしい中年男が乗っている。スチュワーデスはその男に媚びようとするが、男は既婚で妻がいる。もっともすでに亡くなった妻なのだが、微笑む亡霊の姿でときおり現れる。主人公は、震災後、心の命じるままに赴いて一人の日本の老人を救うことのできた東京から、今、その老人とともにモスクワへ向かっている。その日本人にも幻影が現れる。それは、がれきの下敷きとなって死亡した家族である。
アレクセイ・ゲルマン Jr.の15分間の映画『東京発』は、ベネチア国際映画祭のオリゾンティ部門にノミネートされた。
「この映画は情緒的そして詩的な作品で、詩のように多くのことと具体的なことが同時に表現されています。大事なことは、おそらく、過去はそれが生きているあいだは現実のように物として存在するかけがえのないものなのだ、ということです」。ゲルマンJr.は自身の作品についてこう語った。
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