1910代、帽子を被った女性
大衆紙「ペトログラード・リストーク」、1915年7月27日
帽子事件
昨晩、パウロフスク駅でオーケストラが慈善コンサートを行っていた時、椿事が起きた。演奏が始まる前に「帽子をとれ!全然見えないじゃないか!」という叫び声があちこちから上がったのである。が、ご婦人方は、帽子を脱ぎたくなかったようで、無視するかに見えた。すると、抗議の叫びはさらに高まった。
その時、イベント担当者の一人が壇上に上がり、大声で言った。「淑女の皆様、どうか上着をお脱ぎくださるようお願い申し上げます…いや、失礼、上着じゃなくて、帽子だ」
聴衆はげらげら笑い出し、ご婦人方はおとなしく帽子を取った。
「ご婦人の帽子の問題が解決されないかぎり、女性の平等に関する永遠の問題も解決しませんな」。聴衆の誰かが言った。
サンクトペテルブルク県報知、7月29日
ブヨの大量発生
ヴィテブスク県に、突如、ブヨが発生し、家畜の前代未聞の斃死を引き起こしている。途方もない大量発生で、なにしろ、白馬が遠くからは黒馬に見えるほど。その被害は、家畜の斃死にとどまらず、リオダヌイ村では、女性二人に7歳の少女が刺され、刺された跡は、耐え難い痛みだという。
死んだ家畜の皮膚は、まるでピンでも刺したように穴だらけになっており、耳と鼻の穴の中には、大量のブヨがいた。
斃死を避ける唯一の方法は、昼間は表に出さず、暗い室にとどめておき、ブヨが草に落ち着く深夜にのみ、戸外に連れ出すことだ。
取引所報知、7月30日
読者からの手紙
「取引所報知」の或る号で、健康な歯は戦争に必須だとの指摘がなされていた。その良い例がイギリスだ。かの国では、兵士を戦場に送り出す前に、歯医者が然るべき治療を行う。戦場に行くのは、その後のことだ。
それで私は、わがロシア軍における歯の治療の現状に興味をもった次第だが、まことに遺憾ながら、わが国は、イギリスにはほど遠く、この方面ではひどく遅れをとっている。わが勇敢なる幾百万の軍隊は、文字通り歯痛に呻吟しているというのに、いかなる援助もなされていない。軍医達は、他の仕事に忙殺されているし、必要な器具もない。この方面の問題を認識すらしていないのだ。
ヤロスラヴリ県報知、7月31日
海外でのロシア関連書籍が増加
今回の戦争は、わが連合国のうちに、わがロシアとその生活のあらゆる方面をより深く知ろうという意欲を呼び覚ました。この意欲は、出版者の利用するところとなり、ロシアに多くの紙幅を割くようになった次第だ。
こうしてわが国を知るにおよび、ロシアにより近づくことを目的とする組織が、海外でどんどん設立されるようになった。イギリスでは、複数の大学にロシアを研究する学科が設けられ、関連書籍も集められた。こうした蔵書はすでにオクスフォード、ケンブリッジ、リヴァプール、マンチェスターその他の都市に現れている。
また最近ロンドンでは、A・レブヴィッジの非常に興味深い著作『新ロシア:白海からシベリアのステップまで』が出された。この本は93葉の写真を収めている。
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。