アクロバット飛行チーム「ルースキエ・ヴィーチャジ(ロシアの勇士たち)」=
セルゲイ・ボビィレフ撮影/タス通信
今では基本的に高等飛行術のコンテストで披露されるものとなっているが、第二次世界大戦中は追跡を逃れるためにしばしば利用されたテクニックだ。
水平軸を360度回転させ、「樽」をかたどる離れ業。しかも、「ロシアの勇士たち」は、これを単機でなく、複数機で行なう。よくあるのは「菱形」編隊、または、この動画にあるように、ペアによるもの。二機が真っ向から交叉する。互いの距離はなんと、1~3メートル!
今から100年以上前、1913年にはじめてこの曲芸をなしとげたピョートル・ネステロフの名から命名された。またの名を「デッド・ループ」。「ロシアの勇士たち」は単機~最大六機でこの曲芸を行なう。
この技は、操縦士の精巧な技術を示すものであるとともに、チームのメンバー同士の信頼と、相互理解の好例である。ペアで、つまり二機で行なう曲芸。一機がもう一機と並行に「背面」飛行し、鏡像が出現したような視覚効果を作り出す。
古典的な高等飛行術のひとつ。 ロシアの飛行士らはショー向けにスモークトラップを張って「飾りつけ」した。当初は戦闘機が敵の無線誘導ミサイルに探知されなくなるように行う機動飛行だった。機首を上に向け、速度をゼロまで落とす。そして、今度は機首を下に向け、真っ逆さまに落ちていく。そのさまが、あたかも鐘の舌のように見える。これが名称の由来となった。
ロシアのエースパイロットたちの代名詞のひとつ。彼らがはじめて「天使」を空に描き出したのは、2013年の創立22年記念飛行の際。4機のSu-27が6秒間にわたり、理想的な正確さで、サーモトラップを発射。かつ、そこからしかるべき方向に、煙の航跡を引く。こうして空に巨大な天使がかかる。まるで地上を見守っているかのようだ。
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