˝炎に包まれる˝ロシアの科学者

 ロシアの科学者がスーパーヒーローに変身した。炎や液体窒素に包まれている。世界中の若い世代に科学に興味を持ってもらおうと、このような取り組みを行っている。写真プロジェクト「化学からやってきたスーパーヒーロー」には、画像編集ソフト「フォトショップ」など使用しない、本物の化学元素を扱う科学者がいる。

液体窒素、沸点は-195.75℃ 報道写真液体窒素、沸点は-195.75℃
ゴム、給料日から次の給料日までの長さほどのびる 報道写真ゴム、給料日から次の給料日までの長さほどのびる
水銀、室温で液体状態になる唯一の金属 報道写真水銀、室温で液体状態になる唯一の金属
石油、一滴水中に垂れただけで25リットルが飲料水にできなくなる 報道写真石油、一滴水中に垂れただけで25リットルが飲料水にできなくなる
氷、固体状態でその液体状態より軽い珍しい物質 報道写真氷、固体状態でその液体状態より軽い珍しい物質
花崗岩、音の伝導率は空気の10倍 報道写真花崗岩、音の伝導率は空気の10倍
炎、100以上の素反応からなる複雑な化学連鎖反応 報道写真炎、100以上の素反応からなる複雑な化学連鎖反応
アルミ、地球で最も大量に存在する金属で地殻の全質量の8%を占める 報道写真アルミ、地球で最も大量に存在する金属で地殻の全質量の8%を占める
 
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  19枚の写真には、化学元素、物質、自然現象になりきる科学者が、おもしろくてためになる説明つきで写っている。氷は水より軽い、アルゼンチンは銀にちなんで名付けられた、炭素はすべての有機物のもと、ゴムは給料日から次の給料日までの長さほどのびる、などと書いてある。

 プロジェクトの名称は、「化学からやってきたスーパーヒーロー、ロシアの科学者の社会実験」。

 写真と動画は一般公開されており、すでにネットで注目されている。プロジェクトの関係者であるロシアの物理学者、エンジニア、数学者、分子生物学者は、交流サイト(SNS)でたくさんシェアされていることを誇りに思っている。  

 また、このプロジェクトには、俳優や事業革新のエキスパートもいる。

 

科学ショーでひきつける

  「芸術科学」団体は5年前にロシアに登場した。最初にモスクワのショッピングモールで小さなショーを行った。今では中央のテレビ局、科学フェスティバル、会社、チームビルディングなどにも招待されている。「ガスプロム」、「フォルクスワーゲン」、「アウディ」といった大手企業から呼ばれたり、中国とイタリアのツアーに行ったりもしている。

 芸術科学のニコライ・ノヴォショロフ代表はこう話す。「洗剤や冬の靴の試験、パスハ(復活祭)の卵のライフハック、極低温ショー、分子料理といった科学と特殊効果の組み合わせは、世間でとても需要があることがわかった。今日、マーケティング関係者は本物の学者よりもはるかに大きな影響力を持っている。スーパーヒーローという世界の子どものための化学と化学元素の擬人化をやってみることにした。小さい頃から科学は楽しいものなんだと理解してもらえる」

 ノヴォショロフ代表によると、写真プロジェクトで重要なのは、加工しないこと。「石油」のイメージでは”手中の炎”を使っている。「液体窒素」の写真では、本物の液体窒素10リットルをあびている。プロジェクトの関係者によると、メイクアップアーティスト選びには苦労したという。モスクワの一流メイクアップアーティスト20人のうち、化学物質の性質を深く理解し、描写できたのは4人のみだった。

 

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