モスクワに無人交通機関導入へ

アンドレイ・リュビーモフ撮影/モスクワ通信撮影
 大都市開発の問題、無人自動運転車両、テクノパークの開発が、「モスクワ都市フォーラム」(2016年6月30日~7月3日)で議論された。

 2018年FIFAワールドカップ・ロシア大会開催中、無人自動運転バスがモスクワの通りを走る。「モスクワ都市フォーラム」で、アルカジー・ドヴォルコヴィチ副首相がこのように話したことを、タス通信が伝えている。無人自動運転バスは、モスクワの技術的転換の最初の段階になるという。

 8席の無人自動運転バスは、第20回「サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)」(6月16~18日)で公開された。バスの構造の60%は国内生産になると、バスを開発している「ヴォルガバス」ホールディングのアレクセイ・バクリン最高経営責任者(CEO)は話した。ちなみに、シンガポールでは、今年にも無人自動運転バスの試験走行が始まる。

 

大都市には共通の問題

 世界の大都市はどこも同じ問題に直面していると、モスクワのセルゲイ・ソビャニン市長はモスクワ都市フォーラムで話した。「大都市は最初にすべての課題と問題を実感する。だが開発の機会も多い」とソビャニン市長。

 アメリカ系調査会社「デモグラフィア」の年次世界都市圏人口統計の最新版によると、1000万人以上の人口が集中している都市は36あり、この領域に地球人の12人に一人が暮らしている。さらに、人口50万人以上の都市に、地球人のほぼ3人に一人が暮らしている。この人口は1930年の地球の人口より多い。

 「世界の都市が互いに熾烈な競争をしているという意見もあるが、実際には相互作用しあっている。問題は同じで、この相互作用が発展の大きなシナジー効果を与えている」とソビャニン市長。大都市の開発には、技術的発展を含めた、グローバルな解決策を要するという。「国でもなく、民族でもなく、都市が未来の世界の基礎であり、いかに技術を住民の希望と組み合わせるかを知らずして、都市は機能しない」と、「ビッツ・アンド・アトムズ」社の創業者アンソニー・メロウス氏も話した。

 

テクノパークが今の3倍に増える

 技術的な取り組みを進めるため、モスクワでは今後数年間で、革新的な事業展開のための特区であるテクノパークを3倍に増やすことを、ソビャニン市長は明らかにした。モスクワでは現在、総面積約75万平方メートルのテクノパーク20ヶ所が運営されている。この中には34万平方メートルの巨大なテクノポリス「モスクワ」もある。モスクワでテクノパークに勤務する人の数は2万人。

 テクノパークは革新的な経済を支援し、雇用を創出するだけでなく、都市開発の新たな拠点にもなると、モスクワ市科学・産業政策・起業課のオレグ・ボチャロフ課長は話す。「モスクワにはハイテク学校が120校あるが、市場への出口がない。今後の課題は、この状況を変えること、市が知的資本の妥当な実現化を提案できると証明すること」

 モスクワ都市フォーラムは2011年から毎年行われている。これは都市計画、建築、経済、戦略都市計画の分野の国際会議。今年はアメリカ、日本、中国、韓国、オーストリア、フィリピンなど、42ヶ国から4208人が参加した。

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