安倍首相が領土問題の新案提示

コンスタンチン・ザヴラージン撮影/ロシア新聞
 ロシア南部のソチで6日、安倍晋三首相とウラジーミル・プーチン大統領の会談が行われた。今年に入ってロシアを実務訪問した外国の首脳としては、安倍首相が最初である。そしてすでに、9月にウラジオストクで開催される「東方経済フォーラム」への新たな招待も受けた。両首脳は経済貿易分野の協力以外に、従来からの痛みを伴う問題、すなわち平和条約の見通し、およびそこに署名がなされても見解の相違の完全解消が難しいクリル諸島の帰属の問題についても話し合った。安倍首相は、ロシア政府に「新しいアプローチ」を提案したことを明らかにした。

 首脳会談はソチで行われた。安倍首相は2年前、ソチ冬季五輪の開会式に出席するため、ここを訪れている。「この素晴らしい都市は2014年のウラジーミルとの会談を暖かく思い出させる。ソチの美しい風景を思い出しながら、ウラジーミルとの会談を待ち望んでいた。本日は君と会えて非常に嬉しい」と、安倍首相は友好を強調しながら話した。

 プーチン大統領からの挨拶は公式的であった。「首相閣下の訪問を、相互の利益である問題に共に取り組む可能性とみなしている」とプーチン大統領。この時、遠まわしな表現で、会談の張り詰めた性質を指摘した。「政治分野、経済貿易関係分野における既知の状況により、両国には特別な注意を要する特定の問題がある」とプーチン大統領。

 会談の議題となる問題は事前に明らかにされていた。それは平和条約の締結の見通し(安倍首相は挨拶ですでに言及していた)、これに関連するクリル諸島の問題の解決、両国関係全般、またシリア、ウクライナ、朝鮮半島の情勢である。

 ロシアのユーリー・ウシャコフ大統領補佐官は会談の前日、G7(主要7ヶ国)伊勢志摩サミット(5月26~27日開催)の前に両首脳の会談が行われるところに重要な意義があると話していた。

 今回の首脳会談の調整は、岸田文雄外相とセルゲイ・ラブロフ外相によって東京で先月中旬に行われた。ラブロフ外相は今回の首脳会談の結果についても話をしている。両首脳は、経済貿易関係、および「具体的日程を含めた」(日程は後に知らされる)プーチン大統領の日本訪問について話し合ったという。安倍首相は9月にウラジオストクで開催される東方経済フォーラムへ招かれた。

 2013年に創設された両国の外務・防衛担当閣僚会議(2プラス2)を再開することを、ロシアは提案した。ラブロフ外相は、2プラス2について「アジア太平洋地域および北東アジアの安全保障の脅威を考えると有益」と話し、「日本側に聞き入れられたと期待する」と話した。

 安倍首相は会談後、ロシアに領土問題への「新たなアプローチ」を提案したと話した。「新しいアプローチ」については、ロシア側も日本側も詳細を明らかにしていない。

 

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