クラスノダール地方、「アブラウ・ドゥルソ」ワイナリー=
ヴィターリイ・ティムキフ/タス通信「ロシアは現在ワイン生産量で世界11位に甘んじているが、増産は現実的な可能性としてある。輸出分を設けることも可能だ」。ロシア新聞の取材に応じたアレクサンドル・トカチョフ農業大臣はこう述べている。
ロシアではこの2-3年の間にワイン産業および法制の面で一連の重要な変化があった。まず、ライセンスの価格が下がった。そして、ワインが「農産品」に格上げされた。つまり、ワイン農家が国の財政支援を受けられるようになったのだ。
ブドウおよびワインの製造に対する国の支援額は昨年、ほぼ4倍に増大し、3750万ユーロ(46億円)となった。今年も措置は拡大され、昨年と同等またはそれ以上の支援が行われる計画という。
これと並行して、農業省は、ワイン原材料の輸入を制限する計画を策定中だ。ロシアの工場で作られるワインの3分の1が輸入の原材料を使用している。
「ロシアのワイン市場は3つのカテゴリーに分けられる。それぞれ規模は同等だ。まず、ロシアのブドウから作られた、ロシアのワイン。次に、ロシアでボトリングされる、輸入ワイン。そして、輸入原材料をもとに製品化され、ロシアの銘柄として販売されるワイン」。プロジェクト「ナーシェ・ヴィノー(我らがワイン)」を率いるドミトリー・コワリョフ氏がロシアNOWに対し語った。同氏によれば、最も大きな変化を被るのは、このうち第3のカテゴリーとなる。この領域をロシアのワイン農家が占めることが期待されるのだ。
「その目的で、原材料の輸入が制限されるかも知れない。そうすればロシアに正常な競争が起き、ワイン産業が発展する」とコワリョフ氏。
「フランスでもどこでも、外国では、最高のワインは小規模農家が作るものだ」とコワリョフ氏。同じような小規模ワイン農家が今、ロシアにも現れ始めているという。
世界の市場では厳しい競争が行われているが、ロシアがグローバルなプレイヤーとなる見込みはそう低くない、と語る専門家もいる。
「ロシアのワイン農家は2008年または2009年以降、定期的に、国際的な品評会に参加している。ロンドンではロシアのワインがここ5-6年で300あまりの賞を受賞している」。連邦・地域アルコール市場調査センターのワジム・ドロビズ所長がロシアNOWの取材に応じて述べた。
氏によれば、ロシアのワインは十分に国際競争力があり、欧州の銘柄ワインとも渡り合うことができるレベルにある。それでもグローバルな市場に打って出るには、なお10年の月日が必要だ、という。
「欧州では今、ワイン産業の発展が見込める地域として、黒海沿岸に高い関心が寄せられている。つまりブルガリア、グルジア(ジョージア)、ロシアの沿岸に。黒海沿岸の長所は、晴れの日が多いこと、そして土壌の多様性だ。こうしたことにより、カベルネ、ソーヴィニヨン、シラー、グルナッシュ、ピノ・ノワールなどの品種から、芳醇な赤ワインができる」とのこと。
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