モスクワ国際ビジネスセンター
=アルチョム・ジテネフ/ロシア通信バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(BofAML)が今月中旬に発表した最新の新興国経済番付けで、ロシアは中国とインドを抜いて第2位に位置した。第1位は韓国だった。アメリカ系金融情報通信社ブルームバーグがこれを報じている。
番付けでは、経済成長率、インフレ、徴税といった、金融の安定性のすべての指標が判断材料となる。ロシアの経済成長は弱いものの、予算歳入と債務負担の指標が世界で最も安定したものの一つになっているという。
「中国はGDP(実質国内総生産)成長率で上位5位以内についたままとなっているものの、民間債務と公的債務の指標、経常収支、準備高の水準などが弱くなっている」と、BofAMLのストラテジスト、デビッド・ハウナー氏。
ロシア連邦産業貿易省の予測によれば、ロシアの今年度の工業生産はわずかに伸びる可能性がある。1月~10月の工業生産の伸びは、昨年同期比0.3%だった。公式予測によると、工業生産は2016年の0.4%から、次のように今後加速する可能性がある。
2017年1.1%
2018年1.7%
2019年2.1%
「11月のロシアの工業活動の活発さは、企業の幹部への調査によれば、ここ5年で最も著しいものだった」と、E.T.ガイダル経済政策研究所状況調査研究室のセルゲイ・ツフロ室長は話す。
その際、ロシアの主な優位性は、エネルギー網へのアクセス手順の簡易さ、財産登録の簡易さ、契約履行の確保のままで、変わっていないという。格付けで上昇したことは、固定資本への投資に良い影響をおよぼす可能性があり、欧米との政治的緊張によってもたらされた低迷の穴埋めになっていると、ニグマトゥッリン氏。
ロシア政府は「ビジネス環境の現状」で自国の立場を強化できるよう、多大な努力をしている、とロシアの証券会社「オトクルィチエ・ブロケル」最高経営責任者マクロ経済顧問のセルゲイ・ヘスタノフ氏は話す。企業に必要な役所の手続きが減ったことで、進展が顕著になったという。
「この方向性での一貫した活動により、ロシアは上位にあがるだろうが、そのためにはまだまだたくさんやるべきことがある」とヘスタノフ氏。同時に、あらゆるランキングに強力な条件というものがあるという。つまり、ランキングの位置は、何らかのパラメーターの評価方法に強く左右される。方法が少しでも変わっただけで、投資ランキングの位置に大きく影響する可能性もあるのだという。
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