大手調査会社「自動車統計」のデータによると、ロシアの2015年1~9月の自動車販売台数は33%減少の110万台にとどまった。その際、市場で最大の占有率となったのは韓国車の23.2%(2014年は19%)で、最も売れた乗用車はヒュンダイ「ソラリス」(8万5500台)。2番目の占有率となったのは日本車の22.5%(25万台)で、最も売れたのはトヨタ「カムリ」(2万3300台)。3番目の占有率となったのはロシア車の19.4%(2014年は17.5%)で、最も売れたのはラーダ「グランタ」であった(9万300台)。
アナリストによると、ヨーロッパ車の需要は今年初めから39%低下し、市場の平均よりも下落幅が大きくなっている。自動車統計のデータによると、ロシア市場における占有率はドイツ車13.5%(2014年は14.2%)、フランス車8.3%(2014年は9.6%)。
経済危機の状況において、需要がアジア車に切り替わっている理由は、比較的価格が安いこと、品質が安定していること。「オートビジネスレビュー」誌のセルゲイ・バラノフ編集長の試算によると、2008年に約55万ルーブルだった新車の平均価格が、現在はルーブルの為替レートの半落によって110万ルーブルまで値上がりしている。アジア車の平均価格は約87万ルーブル。ロシア人の購買力が急低下したことを背景に、自動車ローンは利用しにくくなった(利息は20%まで上昇)。
バラノフ編集長は、価格方針によって需要が上位になった韓国のヒュンダイとキアを例にあげる。「ルーブルのレートは1年で世界の主要通貨に対して半落したものの、韓国の主要なモデルの値上がり率は約10%。ちなみに値上がり率はルノー『ロガン』で20~25%、シュコダ『ラピッド』で18%、ラーダ『グランタ』で17%。その結果、ソラリスとリオの2モデルは2015年の総販売台数の14%を占めた(2014年は8.5%)」。韓国のメーカーは、ロシアでの現地生産化によって価格を維持することができた。
ロシアNOWが取材を行った専門家によると、ルーブル高が始まった場合、経済危機に合わせて価格を下げたメーカーは、自社の価格方針を見直す可能性が高いという。「例えば、明らかに損をしながらも仕事を続けているヒュンダイとキアは、価格を上げ、競合他社との以前のバランスを取り戻す可能性がある」とバラノフ編集長。キア・モーターズ・ルスの損失は2014年、80億ルーブル(約150億円)であった。ヒュンダイ・モーターCISの収益率は2013年の3%から昨年は1%まで低下した。韓国メーカーの市場占有率は2016年、少なくとも21~23%を維持するだろうと、「全国格付機関」のシニア・アナリスト、パーヴェル・マルトィニュク氏は話す。
「経済危機前に生産を立ち上げることができなかったメーカーは、ホンダのように、ロシアへの参入を最小限に抑えることを好んでいる。ホンダはいまだに、ロシアに100%輸入しており、販売台数は月間数十台まで落ち込んでいる」と、「ロシア・アフト・モト・クルブ」の地域責任者、ニコライ・ステパノフ氏。
ホンダの子会社は、2016年から集中型自動車輸入をやめる。つまり、ディーラー自身が輸入をしなければならないということである。「これは価格、ディーラー網の規模に影響するだろう。ホンダのパートナーのどこも必要な資金を保有しているわけではないため」とバラノフ編集長。
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