日本では、結婚前に付き合う期間が非常に長い。3年や5年、10年も付き合っているカップルをしばしば見かける。石橋を叩いて渡るように、2人の関係の強固さを調べる理由について、私の知り合いは離婚に対する否定的な考え、離婚が自分たちや周囲にもたらす面倒や不便をあげる。
日本とロシアの恋愛スタイルでココが違う、というところをあえてあげるなら、感情のレベルだ。ロシアでは、恋愛関係が衝動的に始まる。日本の「付き合ってください」というような正式な交際の申し込みの手続きをふまない。ロシアでは、カップルがケンカをしたら、とにかく関係をすばやく修正しようと努める。日本では、状況を客観的に見て、感情に左右されない「冷静な」判断をするために、しばらく間を置くことが多いようだ。別れた後、ロシア人の多くは惰性で元カレや元カノとの関係を維持し、どうしているか聞いたり、時に会ったりする。私の知る限り、日本では、別れるとそこで関係が完全に途切れる。私の日本の友人の説明によると、連絡すれば、よりを戻したいのかと相手に思われたりするため、それがいやなのだという。こうして、元カレと元カノは接触しないように努めるのだ。
とはいえ、ルーシではかつて、媒酌制度がとても発展していた。その多くの痕跡が芸術作品に残されている。たとえば、少しコミカルだけれど、重要な女性仲人が、ロシア人の大好きな童話「モロスコ」の映像化作品に登場する。女性仲人は、ゴーゴリの「ディカニカ近郊農村夜話」の主要な登場人物の一人であるし、プーシキンやオストロフスキーの作品の中でもしばしば登場してくる。女性仲人は民衆の社会に存在していたが、ロシアの公家や皇家では、婚姻関係がこの媒酌によってむすばれており、外国から迎え入れることも多かった。現代ロシアでは、結婚仲介は小さなビジネスとしてしか残っておらず、インターネットのインタラクティブな空間へと移行している。多くの人は交流サイト(SNS)や出会い系サイトなどで相手を見つけている。媒酌の伝統は、現在では残っておらず、農村部でも存在していない。
日本とロシアの恋愛関係は、さまざまな歴史、地理、気質の影響を受けながら、異なる形で構築されているため、それらの比較は、互いに学ぼうとする時にのみ、意味がある。私の周囲には、結婚した日本人とロシア人のさまざまなカップルがおり、見ていて興味深い。日々、自分のアイデンティティと闘いながら、自国の文化の数えきれないニュアンスを相手に説明している夫婦がたくさんいる。一方で、すっかり調和し、心がつながっている夫婦もたくさんいる。日本人男性と結婚したあるロシア人女性は、夫と一緒に会社を創業し、2人で両国を行き来している。サンクトペテルブルクに事業があり、日本とロシアの経済界をまわり、息子を育てており、またロシアと日本に実家がある。別の夫婦は学生時代に知り合った。2人とも写真家で、活発かつクリエイティブな人たちだ。文化の違いを気にせず、結婚式を行い、創造的な仕事を一緒にこなしている。このような例はとてもたくさんある!ロシア・ビヨンドのニュースレター
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