女子走り幅跳びのダリヤ・クリシナ、2011年8月=
EPA / Vostock-photo却下されなかったのは、女子走り幅跳びのダリヤ・クリシナのみ。ロシア国外に定住し、ドーピング検査を受け続けるというIAAFの基準を満たした、136人中唯一の選手である。
IAAFの決定により、ロシアの陸上選手は、ロシア・オリンピック委員会によるスポーツ仲裁裁判所(CAS)への集団提訴に期待するしかなくなった。判決が出るのは7月21日。
ロシア・オリンピック委員会は、IAAFの決定を予想通りとしている。「混乱はない。一層積極的にならなくては」と、ロシア・オリンピック委員会法務課のアレクサンドル・ブリリアントフ課長はタス通信に話した。
ロシアのヴィタリー・ムトコ・スポーツ相は、「違法行為に走った」IAAFを解散させるべきだと、より感情的に反応した。2015年世界陸上北京の男子110mハードルで金メダルを獲得しているセルゲイ・シュベンコフは、交流サイト(SNS)「フェイスブック」の自身のページで、IAAFのダブルスタンダードを非難した。それによると、2015年8月から尿の検体10体をスウェーデンにあるIAAF実験所に送っているが、ロシア国内での検査は十分に信用できるものと認められてないという。「僕はロトチェンコフ元所長やユリヤ・ステパノワ、他のスキャンダル/陰謀/調査とは無関係。ロシア国籍を持っているというだけで、無実を証明しなければならないんだ」とシュベンコフ。
五輪金メダルを2個獲得している女子棒高跳びのエレーナ・イシンバエワは、このように話した。「IAAFには推定無罪というものが存在しない。ロシアで誰が潔白なのか、誰がそうでないのかを、IAAFは証明できていない」
非難の波が襲ったことで、クリシナは自分の立場を説明しなければならなくなった。「何も今アメリカに行って、アメリカ人コーチに師事したわけじゃない。アメリカに行って3年たってる。私に怒りをぶつけて、国の裏切り者と呼ぶなんて、間違ってる...リオ五輪に行けるのが私一人じゃないことを、最後まで願ってるわ。誰もが集団として出場したいと思ってるのだから」とのクリシナの言葉が、「全ロシア陸上競技連盟(VFLA)」のウェブサイトに掲載されている。
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