モスクワのグルメシアター4選

Culinary theater 'SVET' Press Service
 料理、映像、音楽を使い、演出家がシェフと共に世界、国、そして観客自身についてのストーリーを紡ぐ。

1. KRASOTA

 このレストランバーは20席のみで、臨場感のある食の芸術を提供する。ゲストは大きな円卓に座り、プロジェクターによるダイナミックな映像を鑑賞する。たとえば「Imaginary Russia」のショーでは、タイムマシーンに乗っているかのように異教時代からソ連時代、そして現代へ移動していく。

 ゲストは窓のない薄暗い円形のホールに通され、料理がどんどん運ばれてきて飽きることがない。皿の中だけでなくゲストの周りでもいろいろな出来事が起こる。壁やテーブルには、歴史的瞬間に浸ることのできる映像が流れ、ノスタルジーを感じたり、過去を再考させられる。

 Krasotaはすでに、ロシアや8人のロシア人アーティストの芸術に関するディナーを主催している。たとえば「Imaginary Art」ではレーピン、ペトロフ=ヴォドキン、シャガールなどの作品で映像を構成している。1月には、海底の巨大都市の建設から人工知能の世界支配まで、起こり得る未来についての7つの物語を語る新シリーズ「Imaginary Future」のプレミアが行われた。

住所: モスクワ、ロマノフ横丁2-1

入場料:23.500ルーブルより(約38,000円より)

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2. SVET

 このショーは人間の欠点に関する架空の特急列車の旅についての物語だ。ゲストは平行に置かれたテーブルのあるホールに座る。壁に映し出される映像は変化していく。宇宙、海、抽象映像、列車のコンパートメントの窓からの眺め。時々生の歌声が流れる。ゲストは、お金、セックス、怠慢、権力、エゴなど、現代実際にある問題について考えさせられる。このショーの名前が「Guilty Show」であるのは偶然ではない。

 全部で6幕あり、休憩中はロシアで「ノルディック」(スカンジナビア料理)を広めたシェフ、スタニスラフ・ペソツキーがディナーを提供する。

 「私たちのショーにはさまざまな「パズル」があり、食べ物もその一つです」とペソツキーは語る。「たとえば「怠惰」のブロックでは、私たちは海の底にいます。 プロットとシーン自体が海についての話であるため、皿に盛られた食べ物は数種類のキャビア、海藻、タラなど、海のものです。これは考えなくても分かります。そして「エゴ」のブロックでは、常に視界から隠されているものについての物語が語られます。人の「殻」や「中身」の話があるので、隠された演出によって空虚のイメージを伝えるというアイデアでした。客は光に照らされた白い皿を受け取り、その上にある雪のように白い物体を壊すことによってのみ「真実」に到達できるのです」

住所:モスクワ、ポドコパエフスキー通り4a

入場料: 18,000 ルーブル(約29,000円)

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3. Madison

 レイトディナー ショー「Mad Girls」では、観客は20世紀初頭のアメリカのキャバレーの雰囲気に誘われる。ビロード、ガラス、木材、ブロンズなどの豪華な装飾に囲まれた壮観なヒロインたちは、歌い、踊り、自分の物語や夢を語る。ショーはステージとその上(サーカスの出し物)、そして短い休憩中にウェイターが料理を運ぶテーブルの間で行われる。

 コースはチョコレートコーティングされたアヒルの胸肉のパテで始まる。次は、ラブネチーズとモルトチップを添えたビーツのゼリーと、スモークスルグニチーズムースを添えたホタテ貝。メインは鹿肉のテンダーロイン、黒ニンニクのアイオリ添えとジャガイモの詰め物。鮮やかなフィニッシュは、カシス、アンチャンティークリーム、コーヒーチュイールを添えたデザートだ。

 「ショーに不可欠なのは大胆な決断です。料理はエッジを利かせ、さまざまな感情を呼び起こすものでなければなりません」とショーのプロデューサーであるアレクセイ・ルイセンコは語る。「たとえば、ホタテとビーツのゼリーという珍しい組み合わせが生まれました。これは他の場所ではほとんどの人が試みないことです」

住所: Leningradsky Prospekt 31A-1

入場料: 7,500~12,500ルーブル(約12,000~20,000円)

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4. ミラー。Life 

 12人の観客、12の部屋、24人の俳優、モスクワ中心部の1000平方メートル。この空間では演劇「プロムナード」が行われ、それはディナーで終了する。散策(プロムナード)はどのように行われるのだろうか? 「カルロス・サントスの鏡」という芝居の詳細は極秘にされており、知られているのは次のことだけである。最初は12人の観客がかなり広い空間を自由に動き回る。監督がストーリーのペースを司り、時には速め、時には遅くする。 24人の俳優が12人の観客の前で演技をする。観客はそれぞれ自分の周りで起こる出来事に反応して、自分だけの視覚と音のパフォーマンスを体験する。

 「この劇ではさまざまなテーマが取り上げられ、生、死、虚偽、欺瞞について語られています。これは心理カウンセラーのところに行くようなもので、観客はそのシーンをただ見るだけでなく、自分自身を通してそのシーンを体験し、この物語に参加するのです」とインターネットユーザーのcatherine-cattyは感想を述べている。

 主催者はこのパフォーマンスでは光の変化が激しく、また観客は閉ざされた空間にいると感じる可能性があり、全ての人にとって心理的に快適であるとはいえないかもしれないと警告している。

 プロムナードの終わりに、観客は共通のテーブルで簡単なディナーを楽しむ。そこでは、それぞれが魚や肉、焼き野菜や新鮮な野菜、チーズ、ワインなどを自分の好みに合わせて選ぶことができる。また、自分が体験したことの体験の感想を他の参加者と共有したり、感情を話し合ったりできる。

 このショーは、劇作家マキシム・クロチキンの作品に基づいて、演出家のタルガット・バタロフとプロデューサー兼レストラン経営者のエフゲニー・カドムスキーによって考案され、上演されている。

住所: ボリシャヤ・ドミトロフカ32-1

入場料: 5,000~6,900 ルーブル(約8,000~11,000円

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